決戦
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え撃つ準備はできております」
「今すぐにでもか」
首領は問うた。
「今すぐにでも」
三影はすぐに返した。迷いはなかった。
「よし。全ては整ったということだ」
そして首領は他の怪人達にも声をかけた。
「バダンの誇る戦士達よ」
「ハッ」
彼等はそれを受けて跪いたまま姿勢を正した。
「行くがいい。最後の戦いの時が来たのだ」
「ライダー達との」
「そうだ。為すべきことはわかっているな」
「無論」
そしてそれがわからぬ筈もなかった。
「ではよい。さあ、行け。そしてライダー達を倒してくるがいい」
「わかりました」
彼等は一斉に席を立った。
「ではこれで」
「うむ」
首領は鷹揚に答えた。
怪人達は姿を消した。そして後には首領の気配だけが残っていた。
しかしそれも消えた。何も残りはしなかった。
その頃ライダー達も出撃しようとしていた。
「頼みます」
村雨は他のライダー達や立花達に対して見送りの言葉を述べていた。
「俺も行けたらよかったんですが」
「無理はするな」
彼に対して伊藤博士が言った。
「君はあのサザンクロスを倒した。それだけで充分だ」
「そうでしょうか」
「ああ。だから今度は我々に任せてくれ。いいな」
「・・・・・・はい」
見れば村雨は松葉杖をついている。その右足にはギプスをしている。
左手にも包帯を巻いている。頭にもだ。それが戦いの結果であることは言うまでもない。
「心配するな」
本郷も言った。
「俺達は負けはしない。絶対にな」
「そうですか」
「何時だってそうだった。そして今度もな。だから御前は心配しなくていい」
「わかりました」
彼はそれに頷くしかなかった。
「では健闘を祈ります。吉報を待っていますよ」
「おお」
「任せとけ」
ライダー達はそれを受けてそれぞれ頷いた。そしてエンジンに足をかけた。
「ではな」
ライダー達は発進した。爆音が轟きはじめ発進した。
それに立花達の乗る車が続く。そして彼等は戦場に向かって姿を消した。
「行きましたね」
村雨の横にいる役がそれを見て呟いた。
「はい」
村雨はそれに応えた。
「こんな身体じゃなかったら俺も行けたのに」
「行きたいですか」
役はここで彼にこう尋ねてきた。
「勿論ですよ」
彼はここで本音を返した。
「俺だってライダーですから。わかるでしょう」
「ええ」
役はその言葉に対して頷いた。
「役さん」
村雨の声は少し強いものになった。
「役さんはカナダでの戦いの時のことを覚えていますか」
「トロントでの戦いでしたね。勿論」
役はそう答えた。
「あの時俺に言ってくれましたね。ライダーだって」
「はい」
忘れる筈もなかった。彼はあの時
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