悪魔の兵器
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青山町での対峙を終えたライダー達は鈴鹿に向かっていた。そこで立花達と合流する為である。
この鈴鹿はレース会場として有名である。立花達は今そのレース場にいた。
「ここでレースを見るのが好きなんですよ」
立花は笑いながら谷達に語っている。
「やっぱりレースはいい。男のロマンですよ」
「おやっさんまだ諦めていなかったんですか」
谷がここで笑いながら口を入れてきた。
「当然だ」
立花は口を尖らせてそう反論した。
「まだまだ諦めていないぞ、何なら御前がレーサーになるか」
「いや、もう俺は歳ですから」
彼はそれを笑って断った。
「流石にもう駄目でしょう」
「何を言っているんだ、わしはまだやるつもりだぞ」
「おやっさんがですか!?」
「当然だ。誰もやらないのならわしがやるだけだ」
彼は胸を張ってそう言った。
「もっとも他の若い奴も探しているがな」
そしてここで顔を綻ばせた。
「アマゾンなんかはかなりいい素質があるんだがなあ」
「あいつはまた勘が違いますからね」
「そうだ、まあライダーの仕事があるから仕方ないが」
「史郎なんかはどうです?」
「あいつがか?あいつは駄目だよ」
「何でですか?」
「向き不向きがあるんだ。あいつはカウンターにいるのが一番似合ってる」
「ははは、確かに」
滝だけでなく他の者もそこで笑った。
「あいつがバイクに乗る姿はちょっと想像できませんね」
「五〇CCは乗れるみたいだがな。あと車も」
「それでもバイクには向いていませんね」
「そういうことだ。ましてやレースともなるとな」
立花はここで顔を引き締めさせた。
「センスが必要なんだ。そうした奴はそうそういるもんじゃない」
「本郷にはそれがありましたね」
「ああ。ライダーには全員あるな。だからこそライダーになったんだろうが」
「確かに」
皆その言葉に対して頷いた。
「ところでだ」
立花はここで志度に顔を向けた。
「時間はどうなっていますか」
「はい」
彼はそれを受けて腕時計を見た。
「そろそろですね」
「そうですか」
立花はそれを聞くと顔を前に戻した。そしてその向こうに何かを見ていた。
「来るな」
そう呟いた。すると一陣の風が来た。
青いマシンが姿を現わした。それはコーナーを高速で回りながらこちらにやって来た。
「まずはあいつですか」
滝はその青いマシンを見て言った。
「ちょっと予想とは外れましたね」
「そうですか。風見先輩らしいですけれど」
だが佐久間はそれを見て当然のようにコメントした。
「あの人はああいう人なんですよ」
「そうだったのか」
「確かにな。あいつらしいと言えばあいつらしいな」
立花もそれに納得したようである。ニューハリケーンが彼等の前に
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