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仮面ライダーZX 〜十人の光の戦士達〜
悪魔の兵器
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あ見るがよい。我がバダン、そしてこの暗闇大使の力の結晶」
 その顔は自信に満ちていた。
「サザンクロスをな」
 巨大なサザエに似た怪物が姿を現わしてきた。無数の突起を持った貝であった。
 いや、それは貝ではなかった。何か得体の知れない装甲であった。
「あれは」
 ライダー達はその中央に何かを見ていた。そこには顔があった。
「フフフ」
 大使は笑っていた。サザンクロスの顔も笑っていた。
「サザンクロスよ」
 彼は上を向いてその化け物に言った。
「やれい」
 サザンクロスの顔も笑った。そしてその無数の突起が何かに変化した。
「ムッ」
 それは大砲に変わった。禍々しく伸びライダー達にその砲口を向ける。
「受けるがよい、我が力」
 暗闇大使は言った。するとその砲の全てに黒い光が集まってきた。
 そしてそこから黒い光が放たれる。それはライダー達に襲い掛かる。
「危ない!」
 ライダー達は咄嗟に立花達を抱いて跳んだ。そしてその黒い光を避けた。
「ほう、今のをかわしたか」
 大使は相変わらず余裕に満ちた笑いを浮かべていた。
「流石だな。しかし何時まで続くかな」
 再びサザンクロスの砲口に黒い光が集まる。そしてまた放たれた。
「クッ!」
 ライダー達は再び跳んだ。そしてその光を何とかかわした。
 着地した彼等は立花達を下ろした。そして彼等に対して言った。
「ここは俺達に任せて下さい」
「おやっさん達は安全な場所に」
「しかし」
 立花はその言葉に一瞬戸惑った。だがすぐに決めた。
「いや、わかった」
 そして彼等に対して言った。
「では頼んだぞ。ここは御前達に任せた」
「はい」
 ライダー達はそれに頷いた。
「勝って来い、いつもみたいにな」
「わかってますよ」
 彼等は微笑んだ声を出した。これだけで充分であった。
「じゃあな」
「ええ」
 立花達は後方へ退いていく。ライダー達は彼等を守るように身体を暗闇大使達に向けた。
「別れの挨拶は終わったな」
「あくまで余裕でいるつもりか」
 ライダー達は彼に対して言った。
「無論だ。わしの勝利は決まっているのだからな」
「ほう」
「では受けるがいい。再び我が力をな」
 また黒い光が放たれた。ライダー達はまたもやそれをかわした。
「何時までそうしてかわせるかな」
 大使はそれを見ながら言った。
「次第に疲れてくる。そして貴様等はサザンクロスに対して手出しはできない」
「クッ・・・・・・」
 そうであった。サザンクロスは遙か上空にある。そこまで飛び上がっても無理がある。かえって狙い撃ちにされる怖れがあった。
「俺が行けば」
 ここでスカイライダーが言った。
「いや」
 だが他のライダー達がそれを止めた。
「御前一人では無理だ。
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