戦士達の集結
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浮かべていた。
村雨はバダンの情報通り津市にいた。そしてその街中を歩き回っていた。
「参ったな、ここで落ち合う約束だったのに」
彼は誰かを探していた。その眉に不安の色がよぎる。
商店街に入った。すると後ろから気配がした。
「ムッ」
それを感じてすぐに振り向く。するとそこに彼がいた。
「やあ」
それは役であった。彼は村雨の肩を叩いて微笑んだ。
「探されたようですね」
「ええ」
彼は苦笑いしてそれに答えた。
「今まで何処に行ってたんですか」
「ちょっとね」
彼はそれに対しては答えをはぐらかせた。そして自分の話に持って行った。
「ところでバダンがこの津に来ているのは御存知ですか?」
「本当ですか、それは」
彼はそれを聞いて顔色を変えた。
「ええ。ほら、見て下さい」
彼はそこで親指で後ろを指し示した。
「妙な行動をとっている人が何人かいるでしょう」
「確かに」
どうやら彼等をつけているようである。外見は普通の者と変わりはないが気配が明らかに違っていた。
「場所を変えますか」
村雨はそれを見て役に対して囁いた。
「そうするべきかと」
彼もそれに賛成した。そして二人はそこから立ち去った。脇道に入り込みそこから追っ手をまく。そして別の道に出た。そこで歩きながら話をした。当然周囲への警戒は怠ってはいない。
「そして松坂には暗闇大使が来ているようです」
「あの男がですか」
「はい。どうやらあの街に防衛拠点を置くようですね」
「そうですか。あの街は交通の要衝ですからね」
松坂は伊勢と奈良、そして愛知を結ぶ場所にある。古来より交通の要地であった。
「おそらく彼はそこで最初の決戦を挑むものと思われます」
「伊勢に通すことは許さない、と」
「そうでしょうね。ただ伊勢もかなりの防衛が施されているでしょうが」
「では海から攻めるのも難しいでしょうか」
「残念ながら。おそらく彼等の守りはかなり堅いでしょう。海から攻めるのは危険です」
「そうですか」
「これは既に他のライダーの皆さんにも伝えておきました。彼等は陸路でこちらに来られることになりました」
「陸からですか」
「はい。何処かで落ち合うべきでしょうね」
「それならこの津は少し危険でしょうか」
「多分。北の方が宜しいかと」
「北ですか」
村雨はそれを受けて少し考え込んだ。
「それでしたら」
そして口を再び開いた。
「四日市辺りはどうですかね。あそこからですと攻撃にも移り易い距離にありますし」
「ええ、それでいいと思います」
役はそれに対して頷いた。
「ただ関東にいるバダンの動きが気になりますね」
「ええ」
それは村雨も気にしていた。
「彼等が陸路で来るとなると厄介ですね。俺達は挟み撃ちに遭う危険
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