第十五話 神前でその十
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「無粋な真似はしないに限るでありんすよ」
「はい、ここはお参りする場所です」
ロンも慇懃に語る。
「戦いは神戸で」
「しかし神戸なあ」
「何か正反対な場所だけれど」
「もうすぐ行くんだな」
「そしてその前に」
お互いに入り乱れて話す。
「お参りしないとね」
「そうね、それじゃあ」
「今から」
こう話してであった。それぞれの社に参拝する。それが終わってからであった。
「よし、じゃあ神戸だよな」
「神戸ねえ」
「何食べる?」
皆食べることをまず考えるのであった。
「明石焼き?」
「あと中華街?」
「他ステーキ?」
「神戸牛なんて高くて絶対に食べられないわよ」
シズカはむっとした顔で話した。
「うちなんていつも輸入肉だから」
「まあ普通はそうだよな」
「大体神戸牛とかグルメ過ぎるから」
「俺達B級グルメだしな」
「そうよね」
皆で言ってであった。そうしていよいよ神宮を出て神戸に向かおうとするのだった。
しかしその川でだ。全員で鯉を見てまたはしゃいでいた。
「でっかい鯉だなおい」
「っていうか一メートルあるし」
「大き過ぎるんじゃ?」
皆でその色とりどりの大きな鯉を見て言うのであった。どの鯉もかなり大きいだけでなくかなり立派な身体をしている。どの鯉もそうなのである。
「こんな大きい鯉ばかりで」
「やっぱり栄養あるのかしら」
「そうなんでしょうね」
皆で話すのであった。
「俺達もでかいの多いけれど」
「っていうかほぼ全員じゃない」
小梅が少し怒った顔になって皆に言う。
「私以外は」
「気にしない気にしない」
「それはね」
このことは皆に言われるのだった。
「それにしてもこの鯉って本当に大きいよな」
「だよなあ」
「食ったら美味いだろうか」
ガジャはここでとんでもないことを言い出した。
「この鯉は」
「いやいや、それは絶対に駄目じゃぞ」
それはシャーフーによって止められたのだった。
「断じてな。ここは伊勢神宮じゃぞ」
「神聖なる場所だからか」
「そんな場所で殺生はいかん。それにこの鯉も神のものじゃからな」
「そうか、それでか」
「左様、そうじゃ」
こう言うのであった。
「実はわしも猫じゃから動きそうになってしまうがのう」
「それでもなのか」
「うむ。どうしても動きそうになるが」
猫の習性である。シャーフーも猫になってしまいどうしてもそうなってしまいそうになるのである。だがそれに何とか耐えているのである。
「堪えておるぞ」
「ではわしもじゃな」
「そうじゃ。我慢するのじゃ」
「うむ、わかった」
それで何とか納得したガジャだった。しかしこうも言うのであった。
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