第十五話 神前でその七
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「これが伊勢神宮か」
「聖地よね」
「だよな」
「そう、ここは聖地なのだ」
御館様の言葉である。当然彼女も同行していた。
「皆をここに連れて来た理由はわかるな」
「はい、それはよく」
「わかります」
「この神聖なものを感じ取るのですね」
「戦いはただ勝利を収めるだけではない」
その言葉もまた峻厳なものだった。
「神仏を感じてからそこに得たものを活かすことも必要な時がある」
「それが今なんですね」
「今の戦いなんですか」
「修行によって心身を鍛え」
御館様の言葉は続く。
「そして神や仏を感じ取ってそこから得たものを活かすのだ」
「聖戦ですか?」
「つまりか」
「簡単に言えばそうだ」
それだというのだった。
「もっとも向こうは今は邪悪と言える存在ではないがな」
「元々そうだったけれどね」
「そうだな」
月麿が冴の言葉に頷いていた。
「あまり賢くはないしな」
「ヤバイバもツエツエも少し見ない間に」
「しかし聖杯を渡す訳にはいかない」
御館様はそのことはしっかりと置いた。
「何があろうともだ」
「ええ。それは確かに」
「渡すだけでも厄介ですからね」
「それでなんですけれど」
小梅がここで問うた。
「聖杯って具体的にどんな力があるんですか?」
「そうね。それがわかっていないのよね」
茉莉花も実際には聖杯がどういった力を持っているか知らなかった。それは他の面々も同じである。
そうしてである。皆ここで言うのだった。
「何かどんな傷も癒せるんだったっけ」
「あれ、世界を支配する力を得られるんじゃ?」
「どうだったかしら」
「例えばだ」
ここで御館様が話すのであった。
「聖杯に入れた水を地面に注ぐ。それだけでその辺りの土が豊かなものになり資源に満ちたものになるのだ」
「えっ、じゃあ北朝鮮でも本当に地上の楽園に?」
「豊かになり資源も豊富って」
「作物も採れ様々な資源が手に入るようになるのだ」
そうなると話すのである。
「足らないものは何もなくなるのだ」
「うわ、じゃああの連中でも」
「普通に豊かな国になれるのね」
何気に誰も相手が真っ当な知力があるとは思ってはいなかった。
「確かに凄い力だな」
「そんな力があるものを好きにさせたら駄目だよな」
「絶対にね」
「あの面々に渡しておくことも危険だ」
御館様もそれを言う。
「だがそれ以上によからぬ者達に手渡す訳にはいかない」
「だよな。独裁者とかテロリストとか」
「そうした面々には」
「だからこそ聖杯城の主に戻すのだ」
「よし、やっと聖杯のこともわかったしな」
「気合を入れなおしていきましょう」
こう話しながらすぐに向かう。しかしであった。
冴は話している中でだ。ふと言うのだ
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