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学園黙示録 Highschool Of The Dead 〜壊れた世界と紅の狼〜
壊れていく世界と壊していく狼
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ったく見せていなかった?」
「はい。むしろ、口元は嗤っていましたけど………」
先生は、「そう」と呟いて黙ってしまった。
「先生、どうしたんですか?」
「あのね、皆。推測だけど、蒼騎くんの心はすでに壊れてると思うわ」
「「「はい?」」」
どうして、そんな結論に至ったのだろうか?
「あのね、普通、人間は“人”を殺したりしたら、罪悪感で辛くなったりして苦しそうな表情を見せるのが当り前なの。だけどね、私から見ても、宮本さんから見ても蒼騎くんが辛そうな表情を見せた覚えがない」
確かに、真紅狼はいつも笑ったり愉しんだ表情を見せていた。
辛い表情は一度も見せていない。
「………そんな状態になる原因とかはわかりますか?」
毒島先輩が、不意に訊ねる。
「よほどショックな出来事を体験したか、それとも“人”を殺すことに慣れてしまい、心が壊れたかのどっちかと思うわ」
「まぁ、どちらにしろ蒼騎自身に訊ねてみないと分からないわね」
沙耶がその言葉で締めて、私達は湯船に浸かった。
〜麗side out〜
〜真紅狼side〜
テレビの映像ではデモが行われており、橋の封鎖解除と<奴等>の事を“人”と主張し、さらには『殺人病』に侵された患者だと主張までし始めた。
「やれやれ、連中がここまで頭のイカレた連中になり下がるとは………警察の頑張りも無駄になりそうだな」
「真紅狼、そんな言い方は………」
「なら、なんて言えばいい? 必死に市民を生かそうとしている警察に対してこいつらが浴びせるのは批判、暴言、怒り。これじゃあ警察が可哀想じゃないか」
俺は小室に訊ねる。
すると、小室は返答に詰まる。
俺はベランダに出て、出掛ける準備をした。
「蒼騎、どこに行くつもりだい!?」
「ちょっと連中に現状を分からせるついでに、暴れてくる」
「そんな勝手な行動は………!!」
「安心しろ、連中が追ってこれない様に、道を塞ぐさ。そんじゃ、行ってくる。心配なら、テレビでも見てろ」
そう言って、俺は屋根を伝って床主大橋に向かっていった。
屋根伝ってピョンピョンと跳ね、入口となる道に誰にも乗っていないその辺の車をバリケードにして入口を塞いだ。
「こんなモンか。さてと………」
俺は再び屋根に登り、警察が封鎖している鉄橋の上に降り立った。
『警察の横暴を許すなー!!』
おうおう、コイツ等は本当にのんきだねぇ。
よくもまぁ………死がそこまで迫ってんのに、ここまでのんきな奴は始めてみるよ。
小室達には、『現状を分からせてやる』と言ったが、本音はただ殺したいだけなんだよね。
こんな素晴らしい世界なんだから、もっと楽しまないと
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