第十五話 神前でその二
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「宗教は違いますが」
「参拝して悪いとは何処にもありませんから」
「そうだね。それじゃあ」
「しかし天使らしくない面々だな」
幸人がそのアラタ達を見て呟いた。
「かなり人間臭いな」
「けれどそれでいいと思うよ」
仙一はそんな彼等を温かく見ていた。
「変に厳しいよりもね。こうした気さくな感じの方がね」
「いいか」
「俺はそう思うよ」
仙一の表情もまた温かいものだった。
「同じ様な考えとかでね」
「そうだよな。しかしこのうどん」
翼はうどんに夢中だった。
「本当に美味いな」
「芳香ちゃんもうお気に入り」
芳香はおかわりまでしている。他の面々もそれぞれの前に丼を何杯も積んでいる。
「このおうどん最高よ」
「今度お家で作ろうかしら」
今言ったのはテトムである。
「ガオズロックで」
「ああ、いいなそれ」
「是非頼むよ」
それを聞いた海と草太郎がすぐに賛成を言ってきた。
「このうどんなら幾らでもな」
「麺はきし麺でもいいかもな」
「きし麺か」
大翔がきし麺という言葉に反応を見せた。
「そういえばきし麺といえばだ」
「誰かいた?」
「大阪とか九州に縁のある人は多いけれど」
「誰かいたかしら」
「私何故か秋田が好きですけれど」
「私は熊本」
アスカと麗は何故かこんなことを言いだした。
「あれ美味しいですよね、秋田小町ときりたんぽ」
「熊本ラーメンいいわよね」
「ええと、名古屋?」
「名古屋ねえ」
しかし名古屋といっても誰もこれだという人間を思い浮かべることはできなかった。それがどうしてかというとこの面々の誰もわからなかった。
「名古屋、海老にお味噌に」
「あとういろうにそのきし麺?」
「ボリュームのあるモーニング」
「そっちもよくない?」
菜月は話を聞きながら述べた。
「ねえ、ランさん」
「ううん、私三重の名張は知ってるけれど」
ランは何故かその街のことは知っていた。
「名古屋よりは大阪派だから。ちょっとね」
「お味噌やったら京都ちゃうん?」
このははこう主張する。
「やっぱりあの上品な味が一番やで」
「ああ、京都なあ」
「今となったら懐かしいな」
「そうよね」
皆京都と聞いて昔を懐かしむ。映画村で遊んだその時をだ。
「ああ、お味噌なら仙台味噌よくない?」
アラタが言った。
「あとジャスミンさんとエリが結構名古屋に近いような」
「むっ、そういえば」
「言われてみたら」
二人も実は心当たりがあることだった。
「名古屋の味噌煮込みうどんは大好きだし」
「私も。名古屋というか愛知って聞くだけで」
実際にそうであった。
「そうだよね。エリも京都好きだしね」
「そうそう。京都っていい街よね」
「そういえば芳香姉ちゃん
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