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仮面ライダーZX 〜十人の光の戦士達〜
スペインに死す
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「ゼネラルシャドウと百目タイタンもか」
 死神博士は海が見える古城にて部下達からの報告を聞いていた。
「あれだけの猛者達まで敗れるとはな」
「超電子の力でしょうか」
「違うな」
 だが死神博士はそれを否定した。
「彼等が敗れたのは時空破断システムの使い方にあったのだ」
「時空破断システムのですか」
「そうだ。その使い方さえ間違えていなければ勝てただろう」
「そうですか」
「そうだ。私の言葉に間違いはあるか!?」
 彼はここでそのスーツにサングラスの部下をジロリ、と見据えた。
「い、いえ」
 その部下は慌ててそれを否定した。
「そんなこと滅相もありません。死神博士のお言葉に間違いなぞ」
「そうだ。私の考えることに誤りはない」
 彼は言った。
「ショッカーにおいても随一の頭脳だった私にはな」
 自負があった。ショッカーの頃から、いやその遥か前から彼には揺るぎない自負があった。己の頭脳に対する絶対的なものが。
「私が為したことは常に完璧でなければならないのだ」
「はい」
 彼は完璧主義者であった。どの様な些細なミスも許されなかった。
 その為絶対的な畏怖と恐怖を同時に持たれていた。部下にとっては実に仕えづらい男であった。
 バダンにおいてもそれは変わらない。むしろそれはさらに強まっていた。
 そんな彼には誰にも反論はできなかった。反論したからといって何をされるわけでもない。彼はそれ程度量の狭い男ではない。
 言えないのだ。そのオーラが他の者を寄せ付けなかった。彼はそれ程までに絶対的な存在であるのだ。
「一文字隼人が来たそうだな」
 彼は話題を変えた。
「は、はい」
 部下は敬礼をし、姿勢を正して答えた。
「どうやらセヴィーリアに向かっているようです」
「そうか」
 彼は窓を見ていた。ガラスに映るその顔がニヤリ、と笑った。
「ならば好都合だ。すぐにセヴィーリアに向かうぞ」
「すぐにですか」
「そうだ。そこであの男を討つ。よいな」
「わかりました」
 男は再び敬礼をした。
「ではすぐ準備に取り掛かれ。怪人達も総動員しろ」
「ハッ」
 男はすぐにその場から立ち去った。後には死神博士だけが残った。
「一文字隼人か」
 彼と一文字は深い因縁があった。
「必ずこの手で倒す。日本と南米の雪辱の為にもな」
 彼はショッカーにいた頃スイスにて他を寄せ付けぬ功績をあげた。そしてそれを高く評価され戦死したゾル大佐の後を受け日本支部長に就任したのであった。
「その御言葉は日本征服作戦完了まで保留して頂きたい」
 その時彼は首領に対してこう言った。日本と仮面ライダーを攻略する絶対の自信があったからである。
 だが彼の作戦と自ら改造手術を施した強力な怪人達は破られていった。そして人口重力装置の争奪戦
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