スペインに死す
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ぐった。そのまま急降下する。
「トォッ!」
そしてイカデビルの懐に入った。彼を掴むとまた跳んだ。
「これならどうだ!」
そしてイカデビルを頭上で激しく回転させはじめた。
「ライダァーーーーーー・・・・・・」
ダブルライダーがライダーキックと同じ程得意としている大技である。
「きりもみシューーーーーーートォッ!」
それは普段のものより遥かに威力が大きかった。彼は隕石を蹴った力をそのまま技に溜め込んでいたのだ。
激しく回転させた。それから渾身の力で地面に叩き付けた。
それで決まりであった。イカデビルは頭から叩き付けられた。
それからバウンドする。それで全身を打ち据えられていた。
二号は着地した。その前でイカデビルは倒れ伏していた。
「終わったか」
どう見ても致命傷であった。勝負が決したのは明らかであった。
「ウググ・・・・・・」
だが彼は立ち上がって来た。恐るべき生命力であった。
「見事だ、仮面ライダー二号よ」
彼は何とか立ち上がった。そしてライダーの方に顔を向けた。
「まさかあの様なやり方で私の攻撃を破るとはな」
そして死神博士の姿に戻っていく。
博士は手を震えながらも動かした。そうすると先程脱ぎ捨てたマントが動いた。
マントはふわふわと飛び博士の背についた。彼はそれを再び羽織った。
「流石だと褒めておこう」
あらためてそう言った。
「まさか貴様が俺を褒めるとはな」
これは意外であった。自信の塊である彼が他者を褒めることなぞ考えられないことだからだ。ましてや宿敵である仮面ライダーを。
「ふ、素直に貴様の力を認めただけだ」
彼はそれに対して言った。
「貴様はこの私を倒した。それも力だけでなく頭脳でもな」
「頭脳でもか」
「そうだ。あの戦い方は見事だった。咄嗟によくぞあれ程までのことをしてくれた」
「隕石を昇ったことか」
「左様。まさかあの様な技を出すとはな。見事な機転だ」
「俺は特訓で得た体術を使っただけだ。驚くことじゃない」
だが二号はそれについては誇ることはなかった。
「俺は身体で覚えている技を使っただけだ。頭脳を使ったわけじゃない」
「いや、それは違う」
だが博士はそれを否定した。
「どう違うのだ?」
「それは無意識にそうした考えがないとできはせぬ」
「無意識にか」
「そうだ。それを使うのもまた頭脳なのだ」
博士の話はかなり困難なものであった。だが二号はその言わんとしていることが容易に理解できた。
「ないものを使うことはできはしないのだからな」
「つまり俺の中にあの戦い方が最初からあったというのか」
「そうだ」
博士は言った。
「それをあの場面で使うとは思わなかった。実に見事だった」
二号はそれには答えなかった。だが
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