スペインに死す
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て不敵な笑みで返した。
「では俺も変身するとしよう」
そう言うと腰に風車のベルトを出した。
「行くぞ、死神博士、いやイカデビル」
そして変身に入った。
変・・・・・・
両手を右から上へゆっくりと旋回させる。手は手刀の形である。
次第に身体が黒いバトルボディに覆われていく。その手袋とブーツが真紅のそれになっていく。
・・・・・・身!
左で両手を止めた。
左腕は肩の高さで肘を直角に上に向けている。
右腕はそれに合わせて胸に水平にしている。やはり肘は直角だ。手は両方共拳にしている。
顔が深緑の仮面に覆われていく。右から、そして左から。その目が紅に光った。
激しい光がベルトから放たれる。そして光が全身を覆った。
そしてライダーが姿を現わした。紅い戦いの心を持つライダーが現われた。
「行くぞ!」
そして身構えた。こうして遂にスペインでの最後の戦いの幕が開けた。
まずはイカデビルが来た。両手の烏賊の鞭で二号を打ち据えに来た。
だがそれはかわされる。二号は左に動いた。
「喰らえっ!」
そして拳を繰り出す。だがそれはイカデビルの奇妙な皮膚に防がれてしまった。
「フフフフフ」
イカデビルはそれを見て奇妙な笑い声を出した。
「攻撃は何も硬い鎧で防ぐだけではない」
彼は言った。
「吸収し、無効化することもできるのだ」
「ではその皮膚は」
「そうだ、私のこの身体を甘く見てもらっては困るな」
そしてライダーを掴んだ。そのまま投げ飛ばした。
「フン!」
だが彼は上手く着地した。この程度の攻撃では楽に防ぐことができた。
しかしイカデビルの攻撃は続く。今度は口から墨を吐いてきた。
それでもって辺りを覆う。イカデビルの姿は完全に見えなくなった。
「考えたな、今度は目くらましか」
二号はその中でイカデビルの気配を探った。
二号は動きを止めた。そして半ばしゃがんで身構えた。そして四方八方に気を張り巡らせる。
「来い」
この闇の中にいるのは間違いない。そして彼を狙っていることも。そう考えると対処が楽であった。
(必ず来る。ならば)
彼はその時を狙っているのだ。問題は何時、何処から来るかだ。それが問題なのだ。
(勝負は一瞬、それを逃したら終わりだ)
それはよくわかっていた。だからこそ息を潜めている。そして待っているのだ。
不意に左斜め後ろから何かを感じた。殺気だ。
(来たな!)
彼はすぐにわかった。そこに烏賊の鞭が飛んで来た。
「喰らえ!」
イカデビルの声がした。それが何よりの証拠であった。
「よし!」
二号はそれをかわした。そしてすぐに鞭が来た方へ跳んだ。
そこには彼がいた。気配が何よりもそれを教えてくれている。彼は掌底を繰り出
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