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仮面ライダーZX 〜十人の光の戦士達〜
スペインに死す
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その減らず口を塞いでやろう」
「出来るものならな」
 博士はススス、と前に出た。やはり老人とは思えない動きである。
 その右手には鞭があった。乗馬用のそれに近いものであった。それで二号を打ち据えにかかった。
「そんなもの!」
 二号はそれをかわした。見れば鞭には電撃が宿っていた。
 博士は攻撃を続けた。しなやかでsれでいて強靭な動きであった。
 だが一文字も負けてはいない。攻撃の合間の一瞬の隙を衝き攻撃を仕掛ける。
「トォッ!」
 左足から蹴りを繰り出す。それで博士を吹き飛ばそうとする。
 だが博士の姿はそこにはなかった。気がつけば一文字のすぐ後ろにいた。
「テレポーテーションか!」
「如何にも」
 彼は答えた。そして一文字の背に鞭を振り下ろしてきた。
「グフッ!」
 身体中に電撃が走った。一文字はその瞬間身体を大きくのけぞらせた。
「どうだ、私の鞭は」
 かろうじて踏み止まり何とかこちらに向き直った一文字に対して言った。
「普通の鞭ではないぞ。立っているのがやっとであろう」
「それはどうかな」
 だが一文字はそれでも平気な顔をした。あえてそういう顔を作ってみせたのだ。
「おれを舐めてもらっては困るな。その証拠に見ろ、自分の胸を」
「何!?」
 一文字に言われて己が胸を見た。そこには拳の跡があった。
「グフッ」
 その途端胸に鈍い痛みが走った。どうやら先程の一文字の攻撃の際に受けていたらしい。
「これでお相子だな」
「クッ、確かに」
 それは認めざるを得なかった。胸を走る鈍い痛みがそれを教えていた。
 博士は間合いを離した。そして一文字に対して言った。
「ならば私も本気を出そう」
「本気か」
「そうだ。私の真の姿、よく見るがいい」
 そう言うと羽織っていたマントを取り外した。そしてそれを上からバッサリと被った。
 その中で死神博士の身体が変わっていった。白いタキシードが軟体動物を思わせる皮膚になり身体中に何やら無気味な触手の様なものが生えてきていた。そしてそれは彼の両手に絡んでいった。
「フフフフフフ」
 マントの中から死神博士の哄笑が聞こえてくる。そして彼はマントを取り払った。
「行くぞ、一文字隼人」
 そこには奇怪な姿をした怪人がいた。烏賊を思わせる白い怪人であった。
「イカデビルか」
「そうだ。私の真の姿は知っていよう」 
 ショッカーにおいてその名を恐怖と共に知られた怪人である。その力はショッカーの怪人達の中でも最強と噂だれていた。
「この姿を見た者は必ず死ぬ。例えそれがライダーだとしてもな」
「ライダーでもか」
「そうだ。さあ一文字隼人よ、早く変身するがいい」
 彼は一文字に対して言った。
「この手で完全に破壊してやる」
「そうか」
 一文字はそれを聞い
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