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木の葉芽吹きて大樹為す
萌芽時代・出逢い編<前編>
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 滅多に怒らない分、自分が怒ったら怖いんだぞ! 大きくなった扉間が涙目で「ごめんなさい、姉者」って土下座して謝ってくるぐらいだからね!

 本気の怒りを込めた一喝に、少年が驚いた様に動きを止める。
 そこを突いて距離を詰め、一本背負いの要領で少年の片手を掴んで地面へと放り飛ばした。
 
 驚いた様に目を見張っている少年の両手を押え付け、馬乗りになって視線を合わせる。
 ここ一番の極上の笑みを浮かべ、少年へと殊更ゆっくり囁いてやった。

「頭は冷えたか、黒髪少年?」
「お前、一体……」

 惚けた様に少年が何かを呟いているが、無視だ無視。
 さっさと怪我をしている黒髪少年(弟)の方へと足を進めると、少年の前で腰に差していた刀を黒髪少年(兄)の方へと放る。
 刀への乱暴な扱いに少年達が驚いた様な声を上げる中、その場に膝を付いて黒髪少年(弟)の怪我をしている箇所に手を翳した。

「何を……!」

 掌に緑色を帯びたチャクラを集めての医療忍術。
 後に掌仙術と呼ばれるであろう医療忍術の基礎を自分用に改造しまくった物である。

 流石は仙人の血を引く一族なだけあって、千手のチャクラ量はかなり多い。
 おまけに自分は一族の中でも随一のチャクラ量を秘めていると言われているだけあって、この程度の術であれば乱用しまくっても問題ない。……乱用する気はないけどさ。

 見る見る内に血を流し続けていた少年の傷口が塞がっていく。
 その光景を目にして、ほっと一息を吐いた。

「よし。これでひとまず怪我の方は大丈夫だろ。それと……これを使え」

 腰に紐で結わえていた竹製の水筒から少しだけ水を沁み込ませた布を持って黒髪少年(弟)の方へと差し出す。
 幾ら匂い消しを使っていても、そのままでいたらそのうち匂いを嗅ぎ付けた森の獣や敵の忍びに見つかってしまうかもしれない。
 
 少年の手に無理矢理濡れた手巾を持たせ、軽く一息を吐いて立ち上がる。
 そうしながら先程黒髪少年(兄)の方へと放り投げた刀を回収しようとして、目がバッチリ合ってしまった。
 …………黒髪少年(兄)の赤い目と。

 あれ? 赤い目?

*****

 何度確認しても、こちらに向けられている黒髪少年(兄)の目の色は赤のままだった。

 き、気のせいな筈だ。
 赤い目を持っている奴なんて、そうごろごろと転がっている筈が無い……よし、瞬きをしてみよう。

 ……変わらなかった。目を擦ってみても赤いままだ。

「その、先程は済まなかった……弟を助けてくれて感謝する」
「え? あ、ああ」

 なに暢気に返事してんだ、自分!! 嫌な予感しかしないんだけど、この状況!
 黒髪に赤い目っていったら、某・戦闘一族しか思い当たらないし。こ
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