第61話 火縄銃を超える銃
[3/3]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
る者の診察を幾度となく受けているが病状は一向に快方に向かっていない。だから、仕官を条件に私が彼女の病を治してやると書いたのだ」
「それは本当にございますか?正宗様、周瑜様への行いは脅迫ではないでしょうか?」
水蓮は自分の気持ちを私に打ち明けると押し黙りました。
彼女の言う通りこのやり方は卑怯だとは思いますが、周瑜を取り込むことで無用な血を流さずに済みます。
この方法では裏切りの可能性も捨てきれませんが、それならそれでも構いません。
少なくても彼女は私に貸しを返すまでは尽くしてくれると思います。
その間に彼女の信頼を勝ち取れるように努力するつもりです。
それでも裏切らるのであれば、戦場で堂々と彼女を討ちとるまでです。
「水蓮、言いたいことがあるならはっきりと言ってくれ」
「正宗様は周瑜様の命を天秤に掛けておられます」
「そうだな……。お前の言う通りだと思う。だから、お前に理解しろとは言わない。しかし、私を信じてはくれないか?私は周瑜を奴隷のような扱いをするつもりはない。彼女に相応しい待遇で迎えるつもりでいる。将来、彼女が私に仕官したことを後悔しないよう精一杯努力するつもりだ」
私は思いつめた表情の水蓮に目を合わせて言いました。
水蓮は私の表情をじっと見つめると数分程考えを纏めているようでしたが、気持ちの整理がついたのか頷いて応えました。
「水蓮、ありがとう。嫌な思いをさせてしまったな……」
私は水蓮の左肩に手を掛けて言いました。
「いえ、この水蓮は常山を出るとき、正宗様のために尽くすと誓いました。それに正宗様なら、決して間違ったことはなさいません」
水蓮はいつもの笑顔を見せながら私を慰めるように言いました。
「さて、急ぐとするか。客人を待たせては悪いからな」
「はい、正宗様」
私達は待たせている周瑜達に会いに行きました。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ