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少女1人>リリカルマジカル
第二十話 少年期B
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議なんだよ?

「お兄ちゃんはどうしてお菓子がいるの? お母さん、ちゃんと今日の分のおやつ作ってくれてるよ」
「あー、そうなんだけどさ。俺が作ろうとしたのは自分用じゃなかったからな」
『なるほど。対リニスさん用の最終兵器だったのですね』
「!!!」
「いや、それは超解釈すぎるから。リニスもやらねばやられる、みたいに爪とぎしないで。俺そこまで鬼畜じゃない」

 俺だってさすがにそこまでプライド捨ててないよ。俺も食べるならおいしいものがいいから、食材は無駄にしたくないし。しかし、本当は内緒で簡単なのを作っておこうかと思ってたんだけど、やっぱり無理だったか。破裂音響いていたし。

「やっぱうろ覚えで作ったのがまずかったのか? でも材料はあってるはずだし、塩と胡椒を間違えるみたいなテンプレは起こしていないはずなんだが。……お姉さん、もう1回試してみてもいい?」
「アルヴィン君。その溢れるチャレンジ精神は大変素晴らしいけれど、お願い、やめて」

 そんな切実に頭を下げなくても…。前世の調理実習でグループのみんなから頭下げられて、キャベツちぎりだけした記憶が思い起こされるよ。あ、ちょっと泣きそう。



「お母さんたちに?」
「うん。ほら、母さん達みんなお話して頑張っているだろ。だから、俺にも何かできないかなって思ったからさ。お菓子でもあげたら喜んでくれるかもしれないって」
「そういうことだったのね」

 ほかにも理由はいくつかあるのだが、一応母さん達のお菓子も作るつもりだった。正直に言えば、理由を話すのがこっぱずかしいです。お姉さんがすごく微笑ましそうな表情で見てくるし。

「そういう理由なら私も協力するわ。クッキーぐらいなら材料もすぐにそろえられるから」
「でも、いいんですか?」
「子どもが遠慮しなくてもいいのよ。その代わり、私の言うとおりに作らなきゃだめよ」
「あ、はい」

 なんというか、本当にいい人だよな。まだ二十代にはいってないって聞いたけど。前に母さんと料理の話で盛り上がっていたし、母さんも認めるぐらいの料理の腕があるらしい。前に一緒に作っていたし。

 それから、お姉さんはクッキーの材料の買い出しに出かけ、俺たちはお姉さんに頼まれていた調理器具を用意しておく。今回は食べ物関係なため、リニスはリビングの方で待機。コーラルも俺たちの準備の助言が終わったら休むそうだ。

「お菓子作れそうでよかったね、お兄ちゃん」
「うん。そうだ、アリシアには言っておくんだけど、実はまだ理由があったりするんだ」
「そうなの?」

 俺はお姉さんに話していなかったもう1つの理由をそっと妹に耳打ちする。ほかに誰もいないんだけど、なんか気分です。アリシアもその理由を聞いて納得がいったみたいだ。

「それじゃあ
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