第2章 真の貴族
第16話 極楽鳥
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を思わせる深紅の翼が顕われていた。
成るほどね。彼女と行動を共にしている間は火竜に襲われる心配はない、と言う事なのでしょう。彼女の正体は、おそらく炎の精霊。霊格から推測すると、この世界の炎すべてを支配する精霊王かどうかは判らないのですが、少なくとも、この炎の山を完全に支配する存在で有る事だけは間違いないと思います。
おそらくは、俺が連れている炎の精霊サラマンダーよりは、高位の精霊で有る事は間違いないでしょう。
その導く者を追って飛び立とうとするタバサ。
……って、ちょい待ち。
「タバサ。オマエさんの飛行呪文は無しや。あの導く者は、可能性としては高位の精霊で有る可能性が高い。
その精霊の目の前で、精霊の生命を消費するオマエさんの魔法を行使する事はかなりマズイ」
そう言いながら、慌てて彼女を止める俺。多分、あの炎の精霊との関係が現在良好なのは、俺達が系統魔法と言う精霊の生命を消費する魔法を使用していないから。
そして、この山の有る一帯を支配しているのは、ジョルジュと名乗った、精霊を支配する術を知っているイケメンの一族。
ここに、何らかの関係を疑う余地が残っている以上、ウカツに系統魔法を使用すべきでは有りません。
それに、今度。近い内にタバサの式神に、浮遊や飛行能力を備えた式神を呼び出して契約させる。こう言う準備も必要となったと言う事ですかね。
色々と仕事が有って、退屈だけはしなくて済みそうですよ。彼女の使い魔生活と言うのは。
「それに、タバサと俺の距離を離して仕舞うと、冷気陣の効果も、タバサへの酸素の供給も難しく成るから、ここから先も、しばらくの間は俺の腕の中で我慢してくれるか?」
俺の問いに、少し考える雰囲気のタバサでしたが、直ぐにコクリと首肯いて肯定を示す。
おそらく、俺の論理に破綻したトコロはないでしょう。彼女の中での問題は、俺に頼り過ぎる事への警戒と言う物だと思いますが、これは、その内に彼女の能力が上がって来るから問題は無くなるはずです。
俺の能力では、彼女の仙骨の詳しい質までは判らないのですが、仙骨は確かに存在していて、才能として見鬼を備え、この世界の魔法の才能も高いのなら、俺程度の使い手には直ぐに至るはずですから。
元々、行使していた系統魔法のルーンを使って発動していた部分を、式神の能力を借りて発動させるだけに置き換えた魔法ですから、ゼロ・ベースで魔法を覚えて行って居る訳では有りません。
まして、発動した結果、冷気が発生していたら冷気系。風が発生していたら風系。そこに違いなど見出す事は不可能です。
俺のように、精霊の声を聴き、彼らと契約を交わす事の出来る存在以外には。
おっと、少し、思考が明後日の方に進むな。無理矢理軌道修正っと。
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