第2章 真の貴族
第16話 極楽鳥
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美少女が顕われたのですから。普通に考えるなら、驚かない方がどうかしているでしょうが。
【現地で、導く者の指示を仰げ、と言う指令を受けている】
俺の質問に対して、同じように【念話】で答えを返して来るタバサ。
成るほどね。あの少女らしき存在が、その導く者とか言う存在ですか。
もっとも、こんなサウナ状態の中で極楽鳥の雛などを捕らえに来る奴がいる事も、早々無いとは思うのですが……。
まして、火竜に襲われる危険を冒してまで。
そもそも、極楽鳥とは、つまり、鳥類スズメ目フウチョウ科に付けられた俗称の事なのでしょう?
確かに、ヨーロッパにはいないとは思いますが、熱帯にならば生息している鳥だったと記憶しています。
そんな鳥の雛を手に入れる為に、こんな危険なトコロにまでやって来る酔狂な食通は、そんなにいないとは思いますよ。
それとも、捕らえてから珍しいペットとして飼う心算なのでしょうか。
……いや、珍しいペットを欲している貴族に売りつけようとする密猟者の可能性が一番高いですか。
あれ? でも、それならば、何故、卵の状態の時ではなく、雛を護れと言う指令になったのでしょうかね。
「お前達はガリア王家より寄越された者達ではないのか?」
その導く者とタバサに表現された少女が、少し俺達の方を訝しげに見つめる。
成るほど。ガリア王家と、この目の前の存在は何か関係が有って、その関係の為に、タバサに極楽鳥の雛を密猟者から護る、と言う仕事が回って来たと言う事ですな。
それに、タバサも血筋的に言うのなら、ガリア王家に繋がる人間ですからね。
「貴女が、導く者と呼ばれている存在なのですか?」
流石にタバサを抱き上げたままの状態では失礼なので、彼女を俺の右側に下ろしてから、そう俺が尋ねた。
何と言うか、この質問は本来なら正式に仕事を命じられたタバサが行うべき質問だとは思うのですけど、どう考えても彼女が、こんな質問を行う様子が想像出来なかったので。
……って言うか、タバサは俺が使い魔に成る以前も、交渉事を伴う騎士としての仕事をこなして来たはずですから、必要が有れば、当然、自ら交渉を行って来たはずですか。
もしかすると、これは余計な事をしたのかも知れませんね。
「人間の間で、わたしがどう呼ばれているかなどに興味はない」
かなり素っ気ない感じで、そう導く者が答えた。まして、その呼称に関しても、要は極楽鳥の巣にまで案内してくれる存在と言うだけですから、単純に案内人と表現すべきトコロを、王家らしく、勿体ぶって導く者と言う名称を与えたに過ぎないとは思うのですが。
「ここからはわたしが案内をする」
そう言ってから、軽く地を蹴る導く者。
刹那、その少女の背中に鳥
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