第2章 真の貴族
第16話 極楽鳥
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から知っていただけなのですが。
日本で一番高い山に登った時にね。
そんな事をタバサに説明……但し、かなりマイルドに薄めて説明しながら、更に進む事十分。周囲を完全に霧と言うよりも、湯気に覆われた一帯を進む冷気に覆われた空気の玉。
それが、俺達ふたりの現在の姿です。
その悪い視界の先。もっとも、気配だけならもっと前から判っていたのですが、十メートルほど先の少し足場の良い場所に立つ一人分の影が有った。
えっと、このシルエットから推測すると……。
女性かな。かなり、長い髪の毛をしているみたいに見えますね。
更に、その人影に近づく事に因って、彼女の姿形がはっきりと見えるようになる。
少女……って言うか、シスター?
う〜む、その場に現れたのは、服装に関しては西洋の修道女を思わせる服装。身長はタバサより少し高いぐらい。大体、ルイズと同じぐらいと言う感じかな。髪の毛は、矢張りシルエット通りかなり長くて腰よりも下。大体、膝の裏まである紅のストレートの髪の毛。瞳も……紅いな。しかし、人食いの類に感じる血の紅と言うよりも、炎を思わせる紅蓮と言う感じなのでしょうか。
綺麗なとか、可愛いとか言う表現方法よりは、凛々しいと表現する方法が相応しい少女姿の何モノかが、俺達の行く手に顕われたのでした。
……成るほど。コイツが居るから、この山が異常に熱いのか。
これは、精霊王と言うべき存在の可能性が有りますね。それに、少なくとも、この火山の擬人化された存在で有る事だけは間違いないですか。
俺は、その修道女姿で顕われた何者かを見つめながら、そう考えた。
何故、女性の姿で顕われたか、ですって?
山を女性化する事は、そんなに珍しい事では有りませんよ。まして、アルプスの語源も、確か女性と言う意味だったと思いますし。
しかし、何故に俺やタバサの目の前に、そんな大物が顕われたのでしょうか。……と言う疑問は残りますが。
「来たわね」
その少女が、彼女の目の前で止まった俺とタバサに対して、そう声を掛けて来る。
声の質はやや低音。少しぶっきらぼうな感じがする少女風の言葉使い。少なくとも、修道女を連想させる姿形からは少し遠い感じの言葉使いの少女です。
「えっと、すみませんが、貴女はどちら様でしょうか?」
そう少女に対して実際の言葉にして聞く俺。そして、それとほぼ同時に、
【タバサ。彼女について、何か指令を受けているのか?】
……と、そう【念話】で聞いて置く。尚、この目の前の少女が顕われた事に、そのタバサ自身から、まったく驚いたような雰囲気を感じる事が出来なかったから、そう聞いたのですが。
何故ならば、サウナ状態の山の中で、汗ひとつ掻いていない、炎を連想させる
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