第2章 真の貴族
第16話 極楽鳥
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られる。そこから、現地のサヴォワと言う地方までは風竜で向かい、そこからさらに先は……」
割と簡単な事のようにタバサは答えた。こう聞いてみると本当に簡単な事のように聞こえるから不思議ですね。……但し、どうも俺的には、嫌な予感しかしないのですけど。
そもそも、そのリュティスって言う都市は、おそらくガリアの首都の事だと思いますから、地球世界のパリの事なのでしょう。パリの昔の名前がルーテティアとか言う呼び方だったと思いますから多分、それで間違いではないと思います。
そこからイタリアとの国境って、どれぐらいの距離が有るのか俺は知らないのですが、ほぼ地球世界のフランスを北から南へ突き抜けるぐらいの移動距離じゃないですか。
それに、アルプス山脈ならば、確か四千メートル級の山々が連なる山脈だったと思うのですが。
もっとも、それについては、今はどうでも良い事ですか。一応、彼女との間には霊道が繋がっています。少なくとも、そのリュティスまでなら、転移の魔法でどうにか成りますから。
それに、火竜山脈ならば、名前から推測すると、普通の人間に取っては非常に危険な生き物が生息している可能性の有る山脈なんですけど、俺の場合は違います。
少なくとも、竜族が俺を問答無用で襲って来る可能性は低いですから。
それに、無理に準備をする必要もないのは確かですね。俺には魔界の兵站担当のハルファスが式神として存在していますから、必要な物資は直ぐに調達可能です。まして、霊力で支払わずとも、金や宝石の類で支払う事も可能ですから問題は有りません。
「そうしたら、タバサ。一度、俺の手を取って貰えるかな」
準備は必要ないとタバサは言うし、ならば、転移魔法の実演と行きますか。
俺の差し出した右手を訝しげに見つめるタバサ。しかし、その場では何も問い掛けて来る事もなく、そっと手を取る。
……って言うか、実は、彼女と直接触れ合ったのって、あの俺の方から霊道を開いた時以来ではないですかね。もっとも、今までの彼女との関わりには、何故かくちびるが関係して来ているんですけど。
例えば、夕食の度に用意されている、お箸を使う事が前提のご飯とおかずの数々など。
まぁ、などとクダラナイ事を考えながら、シルフを起動。そして……。
そして、次の瞬間、俺とタバサのふたりは、最初の出会いの地。召喚の丘の大地を踏みしめていた。
女子寮の室内に比べて、かなりの陽光に溢れた春の草原に少し、その瞳を眩しげにさせながらも、真っ直ぐに俺を見つめるタバサ。これは当然、今、行使した仙術の説明を求めている雰囲気です。
それならば……。
「これが転移魔法。術者の行った事の有る場所になら、ほぼ瞬間的に移動出来る魔法だと思って貰っても構わない。
但
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