無印編
第二十話 裏 後 (クロノ、レイジングハート、リンディ、なのは)
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保護するという側面も確かにあった。目が届きにくい管理外世界だ。だが、稀に魔力を持つ人間が出てくる。持つ魔力が少なければ何も問題はないが、それが強大であった場合、犯罪組織によって誘拐され、使われるという場合が、少なくないのだ。だからこその保護。
もともと、なのはの魔力であれば引っかかっていたが、この世界の状況とリンディが定期的に接触を持ち、後見人になるということで誤魔化そうと思っていた。だが、今はもはやその手は使えないだろう。
史上最高と言っていいSSSランクの魔力を使える魔導師。この事件を報告すれば、なのはの存在は、間違いなく時空管理局にその存在は知れ渡り、もしかしたら、無理矢理にでもその力を手に入れようとする輩が出てくるかもしれない。時空管理局は大きな組織だ。たくさんの人間が集まれば、様々な考え方が存在し、考えの近い人間が集まり、派閥ができる。その中には確かに強行派も存在するのだ。彼らが、彼女の存在を知れば、犯罪者扱いして己が正義のために無理矢理働かせる可能性も考えられた。
だが、いくら力が使えようとも、高町なのはは10歳の子どもなのだ。住み慣れている故郷を無理矢理離れさせるなんてことはしたくないし、犯罪者扱いされて心に傷を負わせたくもない。
―――さて、どうしたものかしらね?
なのはの処遇について決めなければならない。それが提督としての役割だから。
時空管理局において、遠く離れた地域において一刻も早い判断が求められることがある。そのため、現地での指揮系統は逆ピラミッドになっている。つまり、リンディの判断が、時空管理局の判断となるのだ。さすがに犯罪者の裁判などは無理だが。
ふと、エイミィとクロノに顔を向けてみれば、心配そうな顔をしていた。彼らもなのはのことが心配なのだ。彼女の力は確かに強大で、怖い。だが、同時に彼女は護られるべき子どもなのだ。そもそも、もっと早く動いて、彼女が魔法に出会っていなければ、こんなことに巻き込まれなかったのだから。
こんなはずじゃなかった世界とは息子が言った言葉だっただろうか。
そう、自分たちのように悲しい思いをする人間を一人でも救えるように。助けられるように。そのために時空管理局に所属しているのだ。そして、その理念はハラオウン派と呼ばれる派閥の人間の考えに近い。
―――悲しむ者に救いの手を。
だが、今回の件は、あまりにも―――。
そう思っているリンディの元に一本の通信が入る。どうやら、なのはが目を覚ましたようだ。
なのはの部屋は監視している。今回の部屋に泊めるという処置も好意というよりも、なのはの危険性を考えた確保に近かった。体外的には治療ということにしているが。
話題の中心であるなのはが目を覚ましたらしい。そして、今
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