無印編
第二十話 裏 後 (クロノ、レイジングハート、リンディ、なのは)
[3/17]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
が取れるはずもなかった。
―――避ける。避けてみせるっ!!
意気込んだクロノの決意がなのはに届いたのか、彼女はまるでクロノの姿をあざ笑うように口の端を吊り上げて笑う。その余裕めいた笑みが、さらにクロノの決意を強くする。
そして、賽は投げられた。
なのはが掲げたレイジングハートが指揮者のタクトのように振り下ろされる。なのはという指揮者に従い、桃色のスフィア―――アクセルシューターはクロノを倒すための音楽を奏でるように急降下していく。
クロノは、そのアクセルシュータを一つ一つを見て、それぞれの軌道を確認する。どこか、抜けられそうな場所、密度が薄い場所を探して。それを判断する時間は一瞬。だが、確実にクロノは、アクセルシュータの密度が薄い場所を見つけた。その場所は三箇所。空の殆どを覆うほどのアクセルシュータにしては多いような気がしたが、細かいことを考える時間をなのはは与えてくれない。
どちらにしても、このまま考えていても、あの恐ろしい数のアクセルシュータの餌食になるだけだ。それならば、罠と分かっていようとも、そこに突っ込むしかなかった。
覚悟を決めると、クロノは地面を蹴りだして、アクセルシュータの密度の薄い場所へと突入した。いくら、密度が薄いとは言えども、アクセルシュータがまったくないわけではない。周りに比べて少ないというだけだ。クロノはその場所を真正面に三層構造でプロテクションを張りながら突撃する。
一層目は、真正面からまっすぐ飛んできたアクセルシュータの餌食になった。二層目は、二発のアクセルシュータに耐え切ったが、それが限界だった。三層目は、アクセルシュータ群を抜ける直前に一発の餌食になり、砕け散った。三層のプロテクションは確かにクロノの魔力を大きく削った。だが、その甲斐あって、何とかアクセルシュータ群を抜け切ることができた。同時に、クロノに命中しなかったアクセルシュータ群が、訓練室の地面に命中。アクセルシュータの同時多発の影響により、訓練室の低い位置は桃色の爆煙に包まれ、クロノもそれに包まれてしまった。
いや、これは逆に好機だと思った。煙に巻かれている間は、少なくともなのはは自分の位置が分からないだろうから。もっとも、サーチ類が飛ばされているなら話は別だが、戦闘経験が少ない彼女ならその可能性は低い。ならば、これで奇襲に近い効果が得られるはずだ、と思い、クロノは、慎重にかつ大胆に煙の中から飛び出した。その位置は、なのはへの最短距離。
一撃、一撃だけでも決められればっ――――
そう思いながら、まっすぐなのはに向かって空を翔る。クロノに対してなのは無反応。あのアクセルシュータ群で倒せたと思っていたのか、あるいは、あれだけの量のアクセルシュータを放出したのだ。もしかしたら、術後の硬
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ