無印編
第二十話 裏 後 (クロノ、レイジングハート、リンディ、なのは)
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せ一杯で頭にお花畑ができていると言っても過言ではないほど幸せななのははそれに気づかなかった。
「なのはちゃん、眠いなら寝たほうがいいよ」
そう翔太に言われて初めて気づいたぐらいだ。確かに眠い。だが、今はまだ眠りたくなかった。この幸せをかみ締めていたいから。この気持ちをまだまだ感じていたかったから。今日はまだ翔太と離れたくなかったから。だが、それでも生理現象である眠気に勝てる気配はなかった。だから、なのはは、眠い頭で考えてようやく一つの考えに至った。
「あのね……一緒に寝よう?」
「えっと、それは……」
そういえば、これも友達になったらやりたかったのだ。あの敵の少女と同じように翔太と一緒の布団で眠りたかった。翔太にお願いするようにじっと見つめる。やがて、翔太はその視線に負けたようにはぁ、と諦めたようにため息をはくと自棄になったような笑みを浮かべながら口を開く。
「分かったよ」
翔太が受け入れてくれたことが嬉しくて、眠い頭でありながら、すぐに行動に移して翔太が眠る場所を空ける。そこに翔太が渋々といった様子だったが、身体を滑り込ませてきた。
「それじゃ、なのはちゃん、おやすみ」
「うん、ショウくん、おやすみ」
横を見れば、翔太の横顔。眠りに着く瞬間まで、翔太の横顔を見つめられる。そのことが何よりも嬉しかった。
先ほどのことを思い返しながら、なのははふわふわとして幸せな気分に包まれながら、翔太の横顔を見つめる。
―――私のたった一人の友達……。もう、ショウくんだけでいい。ショウくんだけがいい……。
ギリギリまで離れる翔太に近づくために、翔太の洋服の裾を握り、翔太の温もりと匂いを少しでも感じるようにして、なのははそれらに包まれながら、幸せ一杯の空でも飛んでいるかのような浮かれた気持ちのまま、目を瞑り、人生の中で一番幸せを感じられた一日を終えるのだった。
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