無印編
第二十話 裏 後 (クロノ、レイジングハート、リンディ、なのは)
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なぜなら、それは翔太にとってなのはが必要でなくなるということだから。だから、クロノに負けないために、勝つためにジュエルシードを使ったのだ。
「え?」
その答えがよほど予想外だったのか、翔太は意外そうな声をあげた。
え? どうしたの? と、翔太の予想外な反応になのはも何もいえなくなった。翔太の様子を観察するに怒っている様子もないようだ。ただ、驚いているという感情がありありと伺えた。もしかして、言葉が足りなくて、何か別の意味に取ってしまったのだろうか、と不安になってなのはは、さらに続けた。
「私は、ショウくんみたいに頭よくないし、ショウくんよりも身体が動かせるわけじゃないし、ショウくん見たいにみんなから頼りにされているわけじゃない。私には、魔法しかショウくんに頼られることないの。だから……だから……負けられないの。魔法だけは」
そう、だから、なのはは今まで友達ができなかった。翔太以外は。
翔太のように頭がよければ、友達ができたかもしれない。
翔太のように身体が動かせれば友達ができたかもしれない。
翔太のように誰からも頼りにされれば、友達ができたかもしれない。
それは、憧憬だった。翔太を一年生の頃からずっと見てきたなのはの。いい子である翔太がたくさんの友達に囲まれている情景を憧れで見てきたなのはの。
だから、翔太と友達になれたたった一つの秀でた部分。つまり、魔法だけは負けられなかった。
自分に友達ができなかったのは、頭が悪かったから。
自分に友達ができなかったのは、運動神経が鈍いから。
自分に友達ができなかったのは、誰からも頼りにされないから。
だからこそ、初めて友達ができた理由である魔法だけは、それだけはなのはの中では死守しなければならない絶対防衛線だった。
「はぁ、なのはちゃん、僕がなのはちゃんと友達になったのは、魔法が使えるからじゃないよ」
「え?」
だが、そんななのはの独白を否定したのは、意外にも翔太だった。しかも、なのはにとって信じられない一言も加えて。
信じられない、信じられない、と翔太の言葉を初めて信じられないと思ったなのはは、翔太が口にした言葉を初めて否定した。
なのはと翔太が友達になったのは、あの夜だ。ジュエルシードの暴走体に襲われた夜。初めてなのはが魔法を使った夜。そこからなのはと翔太の友達づきあいは始まった。それは、翔太が魔法を使えず、なのはが魔法を使えるこそ始まった関係。だからこそ、なのはは、翔太との関係は魔法で繋がっていると考えていたのだ。
そんな風に驚くなのはに翔太はさらに言葉を続ける。
「魔法の力はもしかしたら切っ掛けかもしれない。だけど、それにこだわったつもりはないよ。僕よりも
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