無印編
第二十話 裏 後 (クロノ、レイジングハート、リンディ、なのは)
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る力を手に入れ、なのはは彼女自身の願いを叶えた。それが嬉しくて、汚名を濯げたことが嬉しくて、それを翔太に褒めてほしくて、主人に褒めてもらう飼い犬のようになのはは笑顔で翔太に報告する。
「あ、そうだっ! ショウくんっ! 私ね、あの人に魔法で勝ったよっ!! 見ててくれた?」
「あ、うん」
笑顔で報告するなのはは、当然、翔太が褒めてくれるものだと思っていた。いつものように「さすがだね、なのはちゃん」と。だが、なのはが想像したのと違い、なぜか翔太は顔を曇らせていた。まるで、なのはの勝利が嬉しくないように。
「ショウくん?」
怪訝に思ったなのはは翔太に問い返す。だが、翔太はそれでも応えない。初めてのことだった。翔太はいつだって、なのはの言葉には笑顔で応えてくれた。応えてくれないなんて初めてで、だから、なのはは何か失敗してしまったんじゃないか、と不安になってしまう。
「ねえ、なのはちゃん」
「なに? ショウくん」
不安が段々と募っていく中、ようやく翔太がまるで覚悟を決めたような表情をしてなのはに応えてくれた。ようやく応えてくれた翔太になのはは、自分の中の不安が勘違いだったと思い込ませ、蓋をして、笑顔で応じる。だが、その蓋をしたはずの不安はすぐに飛び出すことになる。
「あの模擬戦でなのはちゃんが成長したのは何だったの?」
翔太の問いになのははどきっ! とした。
そう、なのはも分かっている。ジュエルシードを使うのは危険なことだったと。だが、それ以上になのははクロノに勝ちたかったのだ。悪魔と契約するようなことになっても。危険性を認知していたからこそ、翔太に問われたなのはは、初めて視線を逸らして翔太に答えた。
「魔法……だよ」
「嘘だね」
だが、なのはの嘘はすぐに翔太に見破られる。いや、そもそも、翔太に嘘をつこうとしたことが間違いだったのだ。彼になのはごときの嘘が見破られないはずがない。すぐになのはは翔太に嘘をついたことを後悔した。
だが、翔太の顔をうかがいながらも考える。果たして、本当のことを言っていいものだろうか? ジュエルシードに手を出したなんていったら嫌われないだろうか。嫌われないためにジュエルシードを使ったのに、それで嫌われたら本末転倒だった。
だからこそ、なのはは翔太の問いに答えたくても答えられない。
「僕に本当のことを教えてよ」
優しい声でなのはに囁くように翔太は言う。なのはは、意識しなければ、自分で自分を戒めなければ、その声に応えて本当のことを口にしそうになってしまった。だが、簡単に口には出せないのだ。翔太がどういう反応をするのか分からないから。翔太に嫌われるなんて、絶対に嫌だから。
だが、そんななのはの心を見透かしたよう
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