無印編
第二十話 裏 後 (クロノ、レイジングハート、リンディ、なのは)
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、あの部屋には翔太もいたはずだ。さて、目が覚めた彼女は、彼とどんな会話をするのだろうか。もしかしたら、この事態を判断できる何かが聞けるかもしれない、とリンディは部屋の様子を映してもらった。
そこから始まる会話の一部始終。
なのはがジュエルシードに手を出した理由がそこにあった。ああ、やはり彼女は子どもなのだ、とリンディもクロノもエイミィも納得した。あまりに純粋すぎる理由。打算の中で生きてきた大人には理解できないかもしれない感情。それが正しいとはいえない。だが、まだ彼女の心が純粋であるとするなら、まだ矯正が可能だろう。
だから、リンディは決断した。
「今回のことは事故とします。ただし、なのはさんにはクロノが動けなくなった責任となのはさんの性格を判断するためにジュエルシード事件を手伝ってもらい、その経過をもって、ジュエルシード事件終了後にもう一度、判断します」
これは様式美だ。ジュエルシード事件を手伝ってもらい、彼女が力を持っていても問題ないことの証明とする。さらにジュエルシードを集めていた理由を彼女の正義感から来るものへと上申し、リンディが後見人となることで手打ちにするのだ。魔法世界と関わるかどうかは将来、彼女が決めればいい。
リンディの判断にクロノとエイミィが嬉しそうにはいっ! と応えるのだった。
◇ ◇ ◇
高町なのはが目が覚めて最初に目にしたのは、たった一人の友達である翔太の姿であった。
「え……あれ? ショウ……くん?」
まだ半分寝ぼけた頭を必死に動かしながら、ありえない夢のような情景を呟いてしまう。そう、ありえない。目が覚めたとすれば、ここは自分の家であり、翔太が自分の部屋にいるなんて状況は考えられないからだ。考えられないはずだった。
「おはよう、なのはちゃん。そうだよ、翔太だ」
「えっ!!」
だが、目の前の翔太はなのはの願望に近い呟きにきちんと応え、しかも笑ってくれた。あまりの驚きようになのはは、思わず上半身を飛び上がるように起こして、まじまじと翔太を見つめる。それはなのはの願望が見せている幻想ではなく、本物の翔太だった。目が覚めて、一番最初に見られたのが翔太で嬉しい気持ちがこみ上げてくるが、同時にどうして、翔太がどうしてここにいるのか? という疑問が浮かび、なのはは寝る直前までを思い出し始めた。
「えっと……私、アースラに来て……そうだ、あの人と模擬戦をして……」
なのはは昨日の汚名を濯ぐためにクロノとの模擬戦を申し出たのだ。それが認められて、そして、昨夜手に入れた力を使って―――。
一つ一つを丁寧に思い出していきながら、なのははついに一番大切なことを思い出した。昨夜は、それだけを願い、願った果てに強大すぎ
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