無印編
第二十話 裏 後 (クロノ、レイジングハート、リンディ、なのは)
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なければならないのだから。ここまでくれば、クロノは腹をくくるしかなかった。絶えず襲い掛かってくるSSSランクの魔力の重圧を腹の底に力を入れることで跳ね飛ばし、彼女の姿を目に入れるだけでくつくつとこみ上げてくる恐怖心に無理矢理蓋をして、クロノは彼女と対峙する。
魔力の大きさから言えば、クロノと大人になったなのはの関係は蟻と象といっていい。つまり、気づかないうちに踏みつけられてしまうほどの力の差がある。だから、クロノが勝つために取れる戦法は一つだけだった。つまり、最初の一撃を避けながらの電撃戦。欲を言えば、最初の段階で奇襲をかければよかったのだが、この段階ではもはや奇襲にはならない。
だから、クロノは杖を構えて、最初の魔法を待つ。ほどなく、大人に変身したなのはは杖を掲げる。
昨日の模擬戦から考えれば、彼女の適正は砲撃魔法だということは予想できた。ならば、彼女の攻撃も射撃系の魔法だろうと予想する。その予想は、見事的中する。なのはの周囲にまず桃色の魔力光で構成されたスフィアが八つ浮かぶ。
―――よし、あれなら、なんとか。
おそらく、一発でもまともに喰らえば、クロノのバリアジャケット程度なら貫いてダメージを与えるだろう。だが、八発程度であれば、避ける自身はあった。だが、クロノの予想が当たった、と喜んだのもつかの間、さらに数は増える。今は、倍になって十六のスフィアが浮かんでいた。
―――ま、まだ何とかなる。
さきほどよりも自身のほどは落ちてしまうが、十六程度であれば、なんとか避けられると思った。だが、クロノの不安を裏切るようにさらに桃色のスフィアは、さらに増える。十六発が三十二発に。
―――おいおい、どこまで増えるんだ。
嫌な汗がクロノの米神に流れる。嫌な予感は段々と上昇していく。そして、その予想もまた悪い方向ではあるが、的中した。
最初は八発しかなかったはずのスフィアは、今では、数え切れないほどまでに増えていた。クロノが見上げた空には、桃色のスフィアと訓練室の天井の割合が七対三だった。
―――これを避けろ、と?
無理だ、とかろうじて残っているクロノの中に残っている冷静な部分が告げる。だが、避けなければ、クロノに生き残る道はない。残る一つの手としては、最初から、スフィアの一つに当たって、この模擬戦を終わらせるという手がないわけではない。それは、自分から負けに行くという方法だ。
だが、この方法をクロノが取れるわけもなかった。彼は執務官だ。執務官は、時空管理局の中でも一握りしか与えられない役職。難関の試験と実技を乗り越えた先に手に入れた役職。そして、彼は執務官という役職の中で修羅場を越えてきた自負もある。だから、魔法とであって僅か一ヶ月の少女に最初から負けを認めるなんて手
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