無印編
第二十話 裏 前 (なのは、アルフ)
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一緒に寝てくれるさ。だから、今日はこれで我慢してくれるかい?」
そういいながら、アルフは優しくフェイトの髪を撫でながら、ぽんぽんと背中を優しく叩く。
「う……ん…。アルフ、あった、かい、ね」
もう半分寝る体勢に入っていたフェイトだ。人肌の温かさと頭を撫でられる心地よさは、すぐにフェイトを眠りの世界に誘っていた。あどけない表情で眠るフェイトを見ながら、微笑ましいものを見るような笑みを浮かべてしまうアルフ。つい、一週間前はこんな風にあどけなく寝る時間などなく、死んだように深く2、3時間眠るしかなかったというのに。今の彼女の表情からは、その頃の面影はなく、また今日、聞いたような思い過去を背負ったような様子も垣間見えない。
知らない―――いや、フェイトのあの言葉から察するにフェイトは知っている。だから、正確には思い出せないことは幸せなのだろうか? 自分の過去を知らないことは幸せなのだろうか?
それはアルフには分からない。だが、このあどけない寝顔は幸せの証だと思うことにした。
「幸せになろうね、フェイト」
今日、新たにした決意を言葉にしながら、フェイトを護るように胸に抱き寄せたまま、アルフもまた眠りにつくのだった。
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