無印編
第二十話 後
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を一言でそう断言した。
僕となのはちゃんの友人としての付き合いは一ヶ月足らずだが、本当のことを言うときに目をそらすような子じゃないことぐらいは知っているつもりだ。だから、目を逸らして言うということは、何かしら後ろめたいことがあるからに違いない。
「僕に本当のことを教えてよ」
促すようにできるだけ優しい声で声を掛ける。だが、なのはちゃんからの反応は芳しくない。逸らしたままの視線で、時折、僕の表情を見るためか、ちらっ、と僕を見てくる。その様子は、まるで悪戯が見つかった子どものようである。
「ね、怒らないから」
子どもがこういう態度に出るときは、相手に様子を伺っているときだ。もっとも、様子を伺った後の反応は子どもによって異なるが、反応を見守るという点では同じだ。なのはちゃんの様子からは何かしら不安に思っている様子が伺えたので、僕は安心させるような意味で笑みを浮かべたまま、本当のことを言うように促した。
「……本当なの? 嫌ったりしない?」
「本当だよ。約束する」
現時点で、僕は怒ったりするつもりはなかった。ましてや、嫌ったりなど。
僕が約束するという言葉を発したためだろうか。なのはちゃんはゆっくりと空気を吸い込み、やがて、意を決したような表情をして、彼女は、その小さな口を開いて、真実を僕に告げてくれた。
「ジュエルシードを使ったの」
―――――言葉を失うとはまさしく、このことだろうか。
ジュエルシードを使った? 最初は、彼女なりのジョークだということを疑った。だが、それにしては悪質だ。ならば、本当のことだと思ったほうがいい。だが、そうだとすると、一瞬、怒らないと言いながらも怒りが沸いてきた。なのはちゃんは、集める過程で、あれが危険なものだという認識はあったはずだ。
それを使ったというなのはちゃんに怒りが沸いてきたが、約束もあるし、事情も聞いていないので、僕はその怒りを静めるために一度、大きく深呼吸して怒りを静めて再度、尋ねた。
「どうして、そんなことをしたの?」
あれが危険なものという認識がない状態なら仕方ない。だが、彼女は知っていたはずだ。あれは、危険なもので暴走の危険性すらあり、願いも見当違いな方向に叶えるということを。そうと知りながら手を出したなのはちゃんの事情を僕は知りたかった。
やがて、僕の真剣な目を見たからだろうか、なのはちゃんは、重い口をゆっくりと開いた。
「だって……魔法で負けたら、ショウくんとは一緒にいられないから」
「え?」
なのはちゃんの言葉を不思議に思った。一緒にいられないというのは、どういうことだろうか?
僕のその疑問に答えるようになのはちゃんはぽつぽつと続きを話し始めた。
「私は、
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