無印編
第二十話 後
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、多少、無理なことでも友人の彼の頼みならば、無下に断わるつもりはなかった。
「分かったよ。どこに行けばいいの?」
「うん、着いてきて」
僕を先導するように先を歩くユーノくん。僕は彼についていこうと思ったのだが、その前にやることがあった。
「恭也さん、そういうわけですので、僕は少しユーノくんを手伝ってから行きます」
「分かった。それじゃ、俺たちは出口の近くで待ってるから、終わったら着てくれ」
「え? でも……」
それは流石に気が引けた。なにせユーノくんのことを手伝うとは言ったが、その手伝いがどれだけの時間がかかるか分からないからだ。僕たちが来たのが夕方だ。もしかしたら、もう日が暮れてしまっているかもしれない。それを考えると時間は有限だといってもいいだろう。だから、僕のために待つ時間を作るのは心苦しかった。
「あ、大丈夫だと思うよ。すぐに終わるし」
どうしよう? と困っていた僕に救いの手を差し伸べてくれたのはユーノくんだった。彼の言葉から推察するに、どうやら手伝いと言っても簡単なものらしい。少しなら待ってもらうのもいいかな? と思って、僕は待ってもらうことにした。
そんな調子で、僕はユーノくんと一緒に恭也さんたちとは途中まで一緒に用事があるという場所へと向かうのだった。
◇ ◇ ◇
僕の目の前で眠り姫のように髪の毛を解いたセミロングのなのはちゃんが、つい数時間前のことなどなかったような安らかな寝顔で寝ていた。
僕がいる場所は、アースラに用意された一室だ。客室なのだろうか。ベット以外には特に何もなく、本当に寝泊り専用の部屋のように思えた。
一時は救護室で寝ていたなのはちゃんだったが、救護室のベットは硬く、治療には向いているが、眠るには不向きらしい。なんでも、診察の結果、なのはちゃんは、魔力切れなどではなく、ただの寝不足だったようだ。それで模擬戦が終わった後で緊張が切れてしまい、眠ってしまった、と。
最初のほうで心配されていた魔法の変身による後遺症のようなものは一切見当たらず、本当に寝ているだけというのが結論だった。その結果に安心するべきだろうか、あるいは、何もなかったことに驚くべきだろうか。もっとも、あの変身とも言うべき原因が分からない以上、僕には何とも言いようがなかった。
ちなみに、救護室にいた保険医のような先生に尋ねてみたところ、回答は分かりません、だった。自分が診察したのはなのはちゃんだけで、少なくともなのはちゃんには何の問題もないことだった。しかし、だったら、なのはちゃんの変身は一体なんだったのだろうか。
僕が考えても仕方ないことだが、家への連絡は、本当に短時間で終わったユーノくんの手伝いの後、偶然、居合わせたア
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