無印編
第二十話 後
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僕たちが知っていると思っても別段不思議な話ではない。だから、僕は、リンディさんが次に口にする言葉も簡単に予想ができた。
「―――少しお話を伺ってもよろしいでしょうか?」
リンディさんの問いという名の強制に僕たちには、はい、という肯定の言葉以外を持ち合わせてはいなかった。
◇ ◇ ◇
さて、リンディさんから話を伺いたいといわれた僕たちだが、なのはちゃんについてならむしろ、僕たちが聞きたいぐらいだ。なにがどうなれば、あんな変化が起きるのか僕たちが知りたい。少ししつこいぐらいになのはちゃんのことを聞いてきたリンディさんだったが、僕たちが本当に何も知らないことを悟ったのか、「分かりました」という言葉で質問を打ち切った。
「あの……」
「あ、はい、なんでしょう?」
「なのはちゃんはどうなるんでしょうか?」
僕たちが、一番興味があるのはそこだった。クロノさんを模擬戦で下したのは、模擬戦だったということで大丈夫だろうが、あの変化だけは説明がつかない。僕たちも説明することができない。何らかの魔法が働いていることは容易に想像できるが。しかし、彼らの驚きようからしても、なのはちゃんの状態が普通の魔法では説明できないことを物語っていた。だからこそ、なのはちゃんの処遇が気になった。
だが、その僕の問いに対してもリンディさんは少しだけ考え込むような仕草をした後、口を開いた。
「そうですね。今は意識を失っていますし、あんな状態になりましたから、検査も必要でしょう。なんにしても意識を取り戻したからと言って、すぐにご帰宅させることはできないと思います」
リンディさんの回答は予想通りといえば、予想通りだった。あの姿になったなのはちゃんを見て、すぐさま帰宅させることができるというのはありえない。それになにより、あれが魔法に関係しているというのであれば、彼らに見てもらったほうがいいというのは正論だ。なにせ、こちらには魔法文明がない上に門外漢なのだから。だが、だからといって、それじゃ、後は任せました、というわけにはいかないだろう。
信頼していないわけではないが、彼らとは知り合ってまだ二日だ。すべての信頼を置くには時期尚早だろうと僕は見ている。
「あの……それじゃ、僕も付き添っていいですか?」
だから、僕はなのはちゃんの傍にいることにした。万が一と考えているが、彼がなのはちゃんに手を出せないように監視ぐらいはできるだろう。そして、それは僕だけではなく、恭也さんも同様の気持ちだったらしい。恭也さんも僕の申し出の後、続いて同じことを申し出た。
僕たちの申し出に対して、リンディさんは、今度はあまり考えることなく、許可を出してくれた。彼らが何を思っているか分からないが、ともかく、
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