無印編
第二十話 後
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レイジングハートの内部で高まる魔力をその場にいた誰もが感じただろう。僕だってモニター越しにも関わらず、魔法をあまり理解しているといえるわけでもないのに、レイジングハートを見ているだけでぞくっ、とした震えがくるのだから、魔法をよく知っているこの場の管制塔の面々はいわずもながである。
「っ! 総員っ! 対ショック姿勢っ!!」
『バスタァァァァァァァッッッ!!』
リンディさんがその場にいた全員に何かに捕まるように告げたのと同時にレイジングハートから桃色の光が発射される。それは一筋の光となりながら少しは離れた空中で磔になっているクロノさんに向けて一直線に向かう。
『くっ!』
さすがにその魔力は拙いと思ったのか、クロノさんは磔になったまま正面に三枚のシールドのようなものを展開するが、なのはちゃんの魔法の前には焼け石に水だった。まるで水に濡れた和紙でも破るように易々とシールドが貫かれ、なのはちゃんの魔法は、クロノさんに直撃する。クロノさんを貫いた魔法はそのまま訓練室の壁に直撃―――直後、ずんっ! という先ほどのアクセルシューターのときとは比べ物にならないほどの揺れが僕たちを襲っていた。
周りからきゃっ! という悲鳴やぐっ! と何かに堪えるような声が聞こえた。僕もその一人で目の前にあったコンソールの端にしがみつくようにして何とか揺れから耐え切ることができた。
何とか体勢を整えて急いで画面に目を向けてみると、そこに写っていたのは、絶対的な勝者として宙に佇むなのはちゃんと落ち葉のように落ちていくクロノさんの姿だった。
「クロノっ!」
「クロノくんっ!」
あのまま落ちれば大怪我ということが分かるのか、リンディさんとエイミィさんがクロノさんの名前を叫ぶ。室内と言っても訓練室はそれなりの高さがあり、普通にクロノさんが磔にされていた位置から落ちれば、あの世行きは逃れられないだろうが、クロノさんは幸いにしてバリアジャケットを着ている。だから、大丈夫だとは思うのだろうが。だが、その心配すら無用だった。空中から落ちていたクロノさんだったが、地面に激突する直前、トランポリンのように桃色のシールドが現れ、クロノさんを受け止めたからだ。
桃色ということを考えれば、なのはちゃんの魔法なのだろう。そこで改めてなのはちゃんに視線を向けたが、大人になったなのはちゃんは、クロノさんが地面に落ちるのを確認した後、空中からゆっくりとクロノさんに近づく。まさか、これ以上まだ何かするつもりなのか、と一瞬、管制塔に内に緊張が走ったが、心配は無用だったようだ。
クロノさんに近づいて、完全にクロノさんに意識がないことを確認したなのはちゃんは、ずっと浮かべている笑みをさらに強めて言う。
『勝った………あははははははっ! 勝
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