無印編
第二十話 前
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なのだ。彼らの強さについては計らずもなのはちゃんが証明してくれた。
僕の言葉になのはちゃんは考えるように俯いたまま何も答えなかった。
なのはちゃんは何を考えているのだろうか。恭也さんの話が確かなら、彼女は僕と一緒にいる時間を作るためにジュエルシードに関わろうとしているはずだ。だから、完全にジュエルシードの件から手を引く僕の提案には素直に肯定できない。
ならば、代わりを用意してあげればいい。僕と一緒にいられる理由を。本当なら、なのはちゃんが自分から僕と遊ぶことを言い出せればいいのだが、それができれば、なのはちゃんも友達がいないなんてことにはなっていない。つまり、なのはちゃんは性格上の理由と友達がいないという環境から、どんなふうに誘えばいいのか分からないのだ。だから、『ジュエルシード』という理由にこだわる。だから、ジュエルシードから完全に手を引くことに肯定できない。よって、最初の結論になるのだ。
「ねえ、なのはちゃん」
「な、なに?」
何も言わないことで怒られると思ったのだろうか。肩をビクンと震わせて、なのはちゃんは俯いていた顔を上げた。
「ジュエルシードの件から手を引いたら僕に魔法を教えてくれないかな?」
「魔法を?」
なのはちゃんが不思議そうな顔をして聞いてきた。それもそうだろう。ジュエルシードの件が終わってしまえば、魔法などこの世界では意味がないのだから。だが、それでもいいのだ。これはただの理由なのだから。
「うん。ユーノくんが先生をやってくれたおかげで、プロテクションとチェーンバインドは使えるようになったんだけど、まだまだ使える魔法もあると思うんだ。この世界では、生きていく上では必要ないかもしれないけど、こういうのが使えるのは夢なんだよね」
普通の男の子からすれば魔法が使えるというのは、すごい、という驚嘆と感動ものだろう。だから、この言葉も説得力があるはずである。
「でも、ユーノくんも時空管理局の人も帰っちゃうから、なのはちゃんしかいないんだ。だから、僕に魔法を教えてくれないかな?」
もちろん、クロノさんたちに許可は貰わないとダメだけどね。と付け加えるのを忘れない。
なのはちゃんは最初、僕が言ったことを理解できないように呆けたような表情をしていたが、やがて、理解したのか、明るい笑顔で頷いてくれた。
「うん。うん、もちろんだよっ!」
その声は、今までの中で一番弾んだ声だった。
◇ ◇ ◇
放課後、僕は、なのはちゃんと連れ添って昨日、クロノさんと出会った海鳴海浜公園へときていた。僕たちが到着した頃には先に待っていた忍さんと恭也さんとノエルさんとアルフさんが既に待っていた。
「すいません、待ちましたか?」
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