無印編
第二十話 前
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ケットに包まれたなのはちゃんではなかった。
まず最初に現れたのは、ちょこんとツインテールには短いといえる髪ではなく、黒いリボンで結われた腰まで届くような立派なツインテール。そして、なのはちゃんが身に纏うバリアジャケットは、白を基調としたものではなく、聖祥大付属小のデザインにメカメカしい部品をつけたものである。その中でも一番の変化は、その色だ。純白だったバリアジャケットは、どこか夜を思わせるような黒を基調にし、血を思わせる赤で胸元辺りに文様が描かれたものへと変化していた。そして、なにより一番の変化は―――
「………あれが、なのはちゃん?」
「なのはちゃんってまだ九歳だったわよね?」
呆然とした僕の声に忍さんが確認のように恭也さんに問う。答えは当然、肯定だ。その恭也さんも信じられないものを見たような表情をしていた。
そう、なにより一番の変化は、なのはちゃんの姿だ。バリアジャケットや髪型といったような細かいところではない。九歳だったはずのなのはちゃんは、身長が急激に高くなり、子どものような体型は豊満な女性のものへと変化し、美少女だった顔立ちは、美人と呼ぶのが適当な顔立ちになっていた。年齢で言うなら恭也さんたちと同じような年齢だろう。
「魔力パターンは間違いなくなのはちゃんです。ただ、魔力は……SSSランクです」
エイミィさんも己の職務である以上、データを報告しているのだろうが、信じられないものを見たように声を震わせながら報告していた。
その声に呆然としてしまう管制室。僕にはその魔力ランクとかの意味は分からないが、彼らが呆然とするのだから、よっぽどのものなのだろう。
『さあ、模擬戦を始めよう』
誰もが呆然とする中、唯一、当事者のなのはちゃんだけが、口の端を吊り上げた笑みで、クロノさんとの模擬戦の始まりを告げるのだった。
つづく
あとがき
後編へ続く
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