無印編
第二十話 前
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あれ、しかし、今、すずかちゃんの言葉でふと思ってしまった。
―――なのはちゃんは今までお弁当はどうしているのだろうか?
友人がいるなら一緒に食べていることだろう。だが、恭也さんの言を信じれば、彼女は今まで友人がいなかったのだ。ならば、なのはちゃんは、一人で食べているのだろうか? いや、まさか………いくらなんでも………。
一度、気になれば、それを振り払うことができなかった。
「ごめんね、すずかちゃん。今日は先約があるから」
「そうなんだ。残念だな。それじゃ、明日は一緒に食べよう?」
すずかちゃんからのお誘いを断わり、あまりにも早い先約に頷き、僕はお弁当を持って教室を後にした。
教室から出た僕は、隣の第二学級に足を運び、入り口からなのはちゃんの姿を探す。教室では、皆、お弁当を広げており、仲間内でワイワイ言いながら食べていた。そんな中で一人で食べていれば目立つはずだが、一人で食べている子はいないようだった。もしかしたら、恭也さんの言うことが実は気づいていないだけで教室にも友達がいるのでは? と希望測のようなことを思い、ちょこんと跳ねるようにした特徴的なツインテールを探してみたが、結局、見つかることはなかった。
さて、後、お昼ごはんを食べる場所として考えられるのは中庭か屋上である。どちらを先に行くか迷ったが、屋上からであれば、中庭が見渡せるため、先に屋上を優先した。お昼休みが始まって五分。早い人は二十分ぐらいで食べてしまうので僕は少し急いで屋上に行く。
屋上に着いた僕は、食べている面々を見渡してみるが、やはりなのはちゃんの姿は見えない。屋上から中庭を見てみるが、少なくとも一人で食べている人はいないようだった。もしかしたら、中庭で友人と食べているのか? と思ってみたりもしたが、やはりこれも僕の希望でしかないのだろう。
さて、後はどこで食べているのだろうか? と屋上の入り口付近で考えてみる。本当なら携帯でも使えればいいのだが、授業が行われている時間の携帯電話の使用は禁止されている。隠れて使っているものもいるが、もしも、なのはちゃんが電源を入れていなければ意味がないので、確実とはいえない。
あれ? 待てよ。携帯よりも確実に繋がる方法を僕は知っているじゃないか。
―――なのはちゃん? 聞こえる? ―――
思いついた僕は早速、なのはちゃんに向けて念話で話しかけた。相手に強制的に話しかける形になる念話だから、大丈夫かな? と思ったりもしたが、なのはちゃんからの答えは意外にもすぐに返ってきた。
―――ふぇっ!? え? どうしたの? ショウくん―――
なのはちゃんは突然の僕の言葉に驚いたようだった。それもそうだろう。お昼休みに僕からなのはちゃんに話しかけたこと
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