無印編
第二十話 前
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時空管理局が来てから一夜が明けた。
昨夜はアルフさんに事情を話し、アリシアちゃんの処遇をどうするべきか話し合った。
アルフさんは、ただアリシアちゃんの幸せを願うだけみたいで、最終的なことは口に出さなかったが、僕たちの家に残りたいようなことを言っていた。僕としては、妹ができたようで嬉しかったので、むしろ望むところである。どちらにしても、結論を出すのは今日の放課後に時空管理局の人と話してからだろう。
アリシアちゃんのことはそれでいいとしても、問題はなのはちゃんのことである。昨日、帰り道で恭也さんから聞いたことが本当ならば、色々と考えなくてはならない。とりあえず、これからのなのはちゃんとの関わり方だろう。
たとえ、初めてであろうが、初めてでなかろうが、なのはちゃんが僕の友達であることには変わりない。彼女が、あそこまでクロノさんに突っかかったのは、僕と一緒にいられる時間が少なくなるからだろう。確かにジュエルシード探しが終われば、塾だって行かなくちゃ行けないし、他の面々と遊ぶ機会も増えるだろう。これまでのように毎日なのはちゃんとだけの時間を毎日取るというわけにはいかない。
ならば、どうするべきか。一番楽な方法は、なのはちゃんが僕以外に友達を作ることであろう。だが、それが簡単にできるなら、僕が不登校の件に関わってから一年も友達ができないなんてことにはならないはずだ。これが簡単にできると思うのは避けたほうがいい。
簡単な方法があるとすれば、僕が第二学級の子になのはちゃんの友達になってくれるように頼むことだが……。それでは、僕への義理でなのはちゃんの友達になっているようなもので、本当の意味で友達と呼べるのか甚だ疑問である。だが、最初の切っ掛けはともかく、それで友達になれることもあるのかもしれない。だが、逆に友達になれないとなったらどうなるだろう? 一年も失敗しているのだ。さらに傷にならないだろうか。ともかく、確実ではないのであまり使いたくない手である。
「ショウくん? 何か考えてる?」
「あ、すずかちゃん……」
考え事をしているうちに授業は終わってしまったらしい。その割りに黒板に書かれていることはきちんとノートに書いているのだからマルチタスクとは実に役立つスキルである。
「お弁当食べよう?」
そういって、すずかちゃんが持ってきてるお弁当をつまんでみせる。最近、すずかちゃんの秘密を知ってしまって以来、すずかちゃんは僕を毎回、お昼ご飯に誘ってきている。しかも、食べさせようとしたり、おかずを交換したり、今までにない行動を取ってくる。どうやら初めて秘密が共有した友人ができて浮かれている状態がまだ続いているらしい。二、三日と思っていたがもう少し上方修正して一週間ぐらいをみるべきだろうか。
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