無印編
第十九話 裏 (アリサ、アルフ、クロノ、なのは)
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いたためジュエルシードの話はできなかったのだ。
事故が起きたのはスクライア一族から管理局に運搬する最中。ジュエルシードは売買の形で発掘したスクライア一族から管理局が購入した形になっている。管理局としては、ジュエルシードのような次元干渉型は、すぐにでも手に入れたいのだが、奪うような形で徴収すれば、スクライア一族との軋轢にもなりかねない。故に売買の形。ロストロギアを売買するのはどうなのだ? という議論はあるが、日常的に人員不足に悩まされる管理局としては、ロストロギアの発掘などに割ける人数がいるわけもなく、スクライア一族としても発掘したロストロギアを怪しいところに売るわけにもいかないので、お互い旨みのある取引としてこのビジネスモデルは成立していた。
今回はそれが問題をややこしくしていた。発掘した直後の所有権は、スクライア一族。ジュエルシードが到着して、受取書にサインすれば、所有権は管理局。だが、今回は輸送中の事故なのだ。当然、ジュエルシードのようなロストロギアを運ぶ以上、相当の保険はかけていたので、スクライア一族は保険会社から莫大なお金を得ることになるだろう。だが、ジュエルシードというAクラスのロストロギアが21個も紛失してしまったのだ。保険会社も査定がおいついておらず保険金はもらえるだろうが、まだ保険金は降りていない。
それはともかく、お互いに所有権を受け渡す途中で、保険金も降りていないため、所有権が宙に浮いたままになってしまったのだ。スクライア側は、管理局から代金は受け取っているが、管理局側はジュエルシードを受け取っていない、スクライア側は所有権を手放しているが、管理局側は所有権を受理していない。
なぜ、これが問題になるかといえば、所有権がどちらにあるかによって、現地住民への謝礼金の支払いがどちらになるかが決まるからだ。管理局としては、スクライア一族に払った以上のお金は払いたくない。スクライア一族としても、ジュエルシードの代金と保証金を減らしたくない。ということで、ジュエルシードの所有権をお互いに譲る形となってしまった。もしも、ジュエルシードが見つからなければ、スクライア一族は保険金を受け取り、管理局は支払いの代金を返金という形になったのだろうが。
もっとも、お互いに所有権を譲り合っていては、埒が明かないので、発掘責任者のユーノと執務官のクロノの協議の結果折半という形でなんとか収まった。
「それで、謝礼はどうするの?」
「それがまた問題だな」
管理世界の住民なら規定の謝礼金を支払っておしまいだろう。管理世界の通貨はそれぞれ管理局で交換できるのだから。だが、今回は相手が管理外世界の住民だ。つまり、管理局の通貨は使えない。だからといって、ジュエルシードほどのロストロギアの謝礼金を金などの貴金属で払おうとす
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