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リリカルってなんですか?
無印編
第十九話 裏 (アリサ、アルフ、クロノ、なのは)
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「なあ、一つ聞いてもいいかい?」

 翔太からは無言の肯定。そう、これだけは聞いておかなければならない。

「あたしたちがいて、迷惑じゃないかい?」

 そう、この家族にとって自分たちは突然現れた異物だ。一時的なものなら許容することはできるだろう。だが、仮にそれが恒久的に続くとなると事情が変わってくる。もしも、迷惑だといわれれば、アルフは何とかしてフェイトとフェイトが幸せになれる道を探すつもりだった。

 アルフの問いに翔太は少しう〜んと考えるような間をおいて再び口を開いた。

「迷惑なんかじゃないよ。俗物的なことを言えば、お金は月村家から入ってきてるし、アリシアちゃんの戸籍も裁判所に認められればすぐにできるしね。後は、親父と母さんだけど……親父は娘ができて頬緩みっぱなしだし、母さんも女は自分だけだったから、アルフさんとアリシアちゃんが、来て嬉しいと思うよ」

 いや、むしろ、母さんなら離れようとしても離してくれないかもね、と笑いながら言う。

「それじゃ、あんたは?」

「僕? 僕は全然迷惑じゃないよ。同い年だけど、妹ができるのも反対じゃない。まあ、お風呂とかは本当に勘弁して欲しいんだけどね」

 最後は本当にうんざりした様子だったが、それは嫌々というよりも気恥ずかしさだろう。

「そうかい」

 どうやら翔太の家族はお人よしらしい。こんな風に転がり込んできた人間を信用して、ややこしい事情を持つことを分かっているのに受け入れてくれるのだから。だが、それはアルフにとって非常に有り難かった。どうやら、翔太の家族は、アルフたちがこのまま家族になることを悪くないと思ってくれているらしい。ならば―――

 ―――このまま、ここで暮らせれば一番なのかね。

 フェイトの今まで見たこともないような安らいだ寝顔を見て、アルフはそう思うのだった。



  ◇  ◇  ◇



 クロノ・ハラオウンは、疲れたと思いながらアースラの管制塔に入った。
 そこでは、クルーの一人で、クロノとも縁のあるエイミィが一人作業をしていた。後ろから覗き込んだコンソールから見るにどうやら今日の模擬戦をまとめていることが見て取れた。

「わっ! クロノくん、いるならいるって言ってよ。びっくりしたじゃない」

「それは、すまないことをしたな」

 おそらく、コンソールの画面で反射する姿で自分を確認したのだろう。驚いて、椅子を回して自分と向き合う形になったエイミィにクロノは素直に謝罪した。

「まあ、いいけどね。それで、今まで何やってたの?」

「スクライアの子とジュエルシードの所有権やらについて話してきた」

 本当なら接触がもてた今日にでもその話をしたかったのだが、意外とややこしいことになって
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