無印編
第十九話 裏 (アリサ、アルフ、クロノ、なのは)
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まったなのはには耐えられないことだった。そんな生活に戻るぐらいなら悪魔と契約してでも今の時間を護るために戦うことを選ぶだろう。
「どうしよう、どうしよう、どうしよう、どうしようどうしようどうしようどうしよう」
がりがりと親指の爪をかみながら出口のない迷路を迷うようになのはは起死回生の一手を探していた。だが、そう簡単に見つかるはずもなかった。しかし、見つけなければならない。なのはが今の時間を護るために。タイムリミットは明日の夕方までだろう。それまでになんとしてでも探さなければならない。
そして、先ほどの思考の一部が起死回生の一手のためのヒントを与えてくれていた。
―――悪魔と契約してでも。
ふと、なのはの虚空を見つめていた視線がある一点を凝視する。そこは、なのはが愛用している学習机だ。その中でも特に見ているのは、学習机に付属している鍵がかかる一番上の引き出し。正確にはその中に大事に仕舞われている中身だ。
「みつけた……」
なのははうわ言のように呟きベットから降りるとふらふらと夢遊病者のようなおぼつかない足取りでまっすぐ鍵のかかった学習机の引き出しへと歩く。彼女の机なのだ。鍵のある場所など分かっている。隠すように仕舞っていた鍵を取り出すとなのはは躊躇せずに鍵を回して引き出しを開けた。
そこに鎮座しているのは、小さな箱。その中身は、それ一つで海鳴の街を灰燼にできるほどの力を秘めた蒼い宝石。
なのはの手がゆっくりとその箱に伸び―――
「これが……あれば……」
なのはの小さな手は、願いの叶うといわれる宝石が仕舞われた箱を手に取るのだった。
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