無印編
第十九話
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らの仕事である。僕たちがこれ以上関わるのはお門違いというものだろう。だから、「分かりました」と頷きかけたところで、それよりも先に僕の隣から聞こえた声が、僕の言葉を遮った。
「そんなの嫌だよっ!!」
隣から聞こえたのは、なのはちゃんの切羽詰ったような声。
「なのはちゃん?」
ちゃぶ台をひっくり返すように今までの話の流れのすべてをなのはちゃんは否定した。
この状況が僕には分からなかった。彼らの登場はなのはちゃんにとっても待ち望んだものであるはずだ。もう、ジュエルシードの暴走体と戦うことなく、普通の小学生に戻れるはずなのだから。だから、僕にはなのはちゃんが彼女たちを否定する意味が分からなかった。
そうやって僕が呆けている間にも話が進んでいく。
なのはちゃんの否定するような言葉にむっとしたのか、クロノさんは、表情を固くして口を開いた。
「次元干渉に関わる事件だ。民間人に介入できるレベルの話じゃない」
聞いた話によるとジュエルシードは時空干渉型であり、時空震という恐ろしい現象を起こす引き金になるんだそうだ。特に複数集まって正確な手順を踏めば、複数の世界が壊れてしまうほどの災害。僕には規模が大きすぎて、その規模を想像することはできなかったが。
だが、その言葉で怯むなのはちゃんではなかった。
「……私より弱いあなたが解決できるとは思えない」
「なのはちゃんっ!!」
さすがにその言葉には僕はすぐに反応した。僕たちとクロノさんは初対面に近い間柄だ。なのはちゃんがいくら魔法が強いからといって、その言葉はさすがに失礼すぎると思った。
まるで大人が子どもを叱るように僕は、なのはちゃんを見据える。僕に睨まれたような形になったなのはちゃんは、なぜか酷く怯えていた。それはあまりに僕が想像した表情とは違っていた。普通、子どもが何かしら悪いことをして大人から睨まれれば、自分のやっていることが正しいと思っている以上、不満げな表情になるはずだ。だが、なのはちゃんはまるで僕に怯えるような表情をしていた。
「すいません、クロノさん、妹が失礼なことを」
僕がなのはちゃんを見据えている間に恭也さんが先にクロノさんに頭を下げていた。恭也さんならなのはちゃんの肉親である以上、頭を下げる理由があるだろう。少なくとも僕が頭を下げるよりも妥当だ。
「いえ、気にしていませんよ」
恭也さんの謝罪にクロノさんが笑顔で大人の対応をしてくれて助かった。これで、もしも、根に持つ人だったら困ったことになっていただろうから。
もっとも、身長は殆ど変わらないから、おそらく同年代なのだろう。しかし、そう考えると管理世界、魔法世界というのは大人になる年齢がえらく早いのだな、と思う。ユーノくんにしても
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