無印編
第十九話
[9/15]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
が、彼女はすでに僕たちの家族だ。お兄ちゃんと呼んでくれるアリシアちゃんは確かに僕の妹である。この場で別れ別れになるのはかなり寂しい。だから、艦長と言えばかなり上官だと予想できる。そんなリンディさんが太鼓判を押してくれたのだからおそらく大丈夫だろう。
確かに魔法関係で医療が進んでいるならアリシアちゃんも見てもらうべきなのかもしれない。ただ、魔法で心の問題まで何とかなればいいのだが。
「しかし、ごめんなさいね。もう少し早く来られたらよかったんだけど……」
「言い訳するわけじゃないが、こちらも混乱していたんだ。ジュエルシードを運ぶ輸送艦の事故。次元犯罪者による事件の線でも捜査はしたんだが、事故という結論になった。しかも、ジュエルシードは運ぶ前は封印処理がされていて、落ちた先は魔法技術のない管理外世界だ。これが管理世界ならもうちょっと迅速に行動できたんだが、結果的に危険度が低くなってしまい、初動が遅れたんだ。さらに、報告では君が民間協力者として先行したことになっていたしね。まさか、封印が解けていたなんて」
おそらく、ジュエルシードの封印が解けて暴走していることは、彼らにとっても予想外だったのだろう。最初は、ユーノくんも封印された石を拾うだけだと思っていたといっていたから。しかも、それを回収するためにユーノくんが先行してたら、後からでもいいか、となって遅れるのも仕方ないのかもしれない。
「だけど、私たちが来たからにはもう大丈夫よ。残りのジュエルシードもこのアースラがあれば、すぐ見つかるでしょうし。今後、このジュエルシードの回収については時空管理局が全権を持ちます」
それは、僕にとっては願ったり叶ったりだ。そもそも、僕たちが協力したのは、彼らが来るまでの中継ぎということであり、彼が来た以上、僕たちはお役ごめんであることは間違いない。なのはちゃんも危険な目にあうことはないし、ジュエルシードの件が片付けば、少なくとも余裕ができてアリシアちゃんやすずかちゃんのことももう少し構ってあげられる。
もっとも、さすがにこれだけの出来事だ。今までのことを全部忘れてというのは無理そうだが。
恭也さんと忍さんの表情を伺ってみても、特に疑問を持っていないようだった。
「それでは、細かいところは明日説明するとして、明後日から今までのことは忘れて元の生活に戻ってください」
思えば一ヶ月よりも少し短い時間だったが、やけに濃密な時間を過ごしたような気がする。もっとも、魔法というありえないものに触れて、実際にそれを基本とはいえ、使えるようになったのだから、その一ヶ月が今までと同じように感じるはずもなく、当然、薄いはずもなかった。
明後日からはまた普通の小学生か、と思うと少し侘しい気持ちもあるが、彼らが来た以上、これ以降は彼
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ