無印編
第十九話
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してくれた。
「なのはちゃん、こうするのよ」
忍さんがそういった直後、僕の挙げた片手に勢いよく彼女の右手を当ててパチーンと気持ちのいい音がする。その代わり、僕の手はじんじんと痛かったけど。それを見たなのはちゃんも合点がいったのか、うん、と頷くと改めて手を挙げてパチンと僕の手をなのはちゃんの左手で叩いた。
今までこんなことをやったことがなかった僕はようやく成功したハイタッチに思わずあはは、と照れ隠しの意味をこめて笑ってしまう。それにつられたのか、なのはちゃんもにゃはは、と笑っていた。それをまるで微笑ましいものを見るかのような表情で見てくる恭也さんたちが少し痛かったが。
「それじゃ、結界を解きますね」
ジュエルシードも封印したことで事態は収まったとみていいだろう。だからだろう、ユーノくんは広域結界を解いた。ユーノくんが結界を解いた途端、周りの空気が変わる。海風が公園の木を揺らし、海からの波の音が聞こえていた。幸いにして、ジュエルシードが発動したのは、学校が終わった直後だったので、まだ完全に日が沈むということはなく、三分の一ほどを水平線の向こう側に沈めているだけだった。
「それじゃ、今日はもう帰りましょうか?」
「そうですね」
忍さんの提案に僕は頷いた。
本当なら日が沈むまで捜索は続けられる。だが、今日はもう一つとはいえ、ジュエルシードを封印した。僕はまったく何もやっていないといっても過言ではないが、恭也さんや忍さん、ノエルさんは動いただろうし、なのはちゃんも封印魔法を使ったので疲れているだろうという判断からだろう。
僕たちの空気は完全に帰宅ムードになっていたのだが、そこに横槍が入ってきた。
「申し訳ありません。少しお時間よろしいでしょうか?」
不意に僕たちに向けてかけられた声。全員が反応して声がした方向を向いてみると、そこには髪から瞳まで黒く、さらに念を入れたように黒い外套のような服に包まれた僕と同じぐらいの身長の男の子が立っていた。そして、もう一つ目を引くのは彼が右手に持っている杖のようなもの。形は異なるがなのはちゃんが持っているレイジングハートと同じような感じがする。
「あなたは誰?」
僕たちと彼の間に走った緊張のようなものを破る口火を切ったのは忍さんだ。その後ろに控える恭也さんとノエルさんもこっそりと彼が何をしてもいいようにお互いに得物に手をかけていた。
だが、彼はそんな二人に気づいたのか、気づいていないのか声をかけられたときから変わらない仏頂面を崩すことなく淡々と答えるのだった。
「僕は、時空管理局執務管、クロノ・ハラオウン。あなた方が持っているジュエルシードについて事情をお聞かせ願いたい」
彼が名乗った時空管理局という名前に僕は驚い
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