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リリカルってなんですか?
無印編
第十九話
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 そういうとなのはちゃんは靴にピンクの羽を生やして空へと飛び立つ。僕はそれを見上げる形で目で追った。空に飛んだなのはちゃんは、空中で静止すると杖を構え、照準を恭也さんたちと遊ぶように枝を振るう人面樹へと向ける。

 恭也さんたちは、相変わらず傍から見る限りでは簡単に枝の鞭を避けていた。恭也さんたちに注意が向いている人面樹は、空に浮かんでいるなのはちゃんに気づくことはなかった。

 空に飛んだなのはちゃんが何かを呟くように口を動かした直後、レイジングハートから太いレーザのような桃色の光が吐き出され、まっすぐそれは人面樹に向かい、恭也さんたちを追いかけることに夢中になっていた人面樹はなんの抵抗もなく桃色の光線を受け入れるように命中した。

 桃色の光線が命中した人面樹は、恭也さんたちを襲う直前のようにWoooooonという断末魔を上げ、ちょうど人面樹の顔の辺りから蒼い宝石を一つ吐き出す。その宝石は導かれるように空に浮いているなのはちゃんの元へと向かい、そのままレイジングハートの宝石部分へと飲み込まれた。

 どうやら封印は上手くいったようだ。

「どうやら、うまくいったようだな」

 先ほどまで人面樹の気を惹いていた恭也さんたちが僕の元へと戻ってきた。しかし、この人たちはあれだけの運動をしておきながら汗一つかいていないのはどういうことなのだろうか。

「ジュエルシードの暴走体って初めて見たけど毎回こんな感じなの?」

「そうですね。怪物や巨大犬だったこともありますけど、流れは大体こんな感じです」

 忍さんからしてみれば、もしかしたらあっけないと感じたのかもしれない。その表情は物足りないと語っていた。どうなのだろうか。最初の怪物や大型犬と比べるのはどうかと思う。最初の怪物は確かに大変だったが、それは最初で魔法があまり使えなかったという理由がある。今は、なのはちゃんの魔法も強力になったし、恭也さんたちのアシストもある。正直、恭也さんたちが近距離で相手をしながら遠距離からなのはちゃんの狙撃というのは、一番消耗が少ない攻略パターンなのかもしれない。

「ショウくん! やったよっ!」

「うん、見てたよ。今回も成功だったね」

 空から降りてきたなのはちゃんがずいぶんと嬉しそうだったので、僕は思わずハイタッチをするつもりで片手を挙げていた。だが、なのはちゃんにはその意味が分からなかったのか、きょとんとして何の反応も返してくれなかった。

 これでは僕が片手を上げたただのバカになってしまう。

 思わず冷や汗が背中を流れる。まるで、ギャグをすべってしまった芸人というのはきっとこんな感じなのだろう、と僕は思わず思ってしまったぐらいだ。

 その様子が可笑しかったのだろう。忍さんがくすっ、と笑うと僕に助け舟を出
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