無印編
第十九話
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さんは僕の問いに無言。しばらく考えるように夜空を見上げていた。だが、その時間は少しで、やがて何かを決意したような顔つきになり僕を真正面から見てきた。何かを試すような目。だから、僕も視線を逸らさず応えた。
「ショウくん、これは君を信頼して話すことだ。なのはには俺が話したことを言わないでほしい」
「はい」
真剣な声に僕も真剣に応えた。なにがあるのか僕には分からない。だが、それはきっとなのはちゃんにとっては大変なことなのだろう。
「なのはにとって、君は初めての友達なんだ。だから、今日までの時間がとても楽しかったんだと思う」
―――え?
僕には最初、恭也さんが言っている意味が分からなかった。
僕がなのはちゃんにとって最初の友達? それは僕にとってありえない答えだからだ。
「そ、それはおかしいですよ。だって、なのはちゃんは二年生のとき以来ちゃんと学校に来てるじゃないですかっ!?」
あのとき、友達がいないのことが原因で、不登校になったと判断し、伝えたのは僕だ。その次の日にはなのはちゃんはちゃんと学校に来て、それからずっと不登校にならず学校に来ている。だから、僕はあの時以来、なのはちゃんにも友達ができたものだと思っていた。僕が把握しているのは自分のクラス内ぐらいで、さすがに隣のクラスまでは余裕がなかったのでちゃんと確認はしていないが。
「そうだな。なのはがきちんと学校に行った理由は俺にもわからない。もしかしたら、なのはも学校で友達を作ろうとしていたのかもしれない」
「そんな……」
僕は恭也さんからもたらされた事実に愕然とした。もしかして、なのはちゃんは、一人であの教室で友達を作ろうと頑張っていたのだろうか。いくら余裕がないからといっても僕は、その後なのはちゃんのことを調べておくべきだっただろうか。あるいは、幼稚園時代からまだ縁のある第二学級の子にもう少し強く言っておくべきだっただろうか。
だが、後悔しても過ぎ去ったときは戻すことはできない。
嘘だと思いたいが、恭也さんが言うことを鑑みれば、確かになのはちゃんが固執するのも分かる。彼女が固執していたのはジュエルシードじゃなくて、僕と遊んでいる時間なのだろう。だから、時空管理局にその時間を奪われると思ったから、あんな手段に出てしまった。
「……恭也さん、僕はどうするべきでしょうか?」
分からなかった。この事件はもう時空管理局に任せるべきだと思う。だけど、なのはちゃんのことを聞けば、このまま引き継いでいいのか? と思う。それとも時空管理局に引き継いで、なのはちゃんのことを今まで以上に気に掛けるべきなのだろうか。僕には結論が出せなかった。
だが、僕が真剣に悩んでいるのを恭也さんは今までの表情を崩して微笑みながら
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