無印編
第十九話
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んはさすがだ。時空管理局の執務管がどれだけすごいのか分からないが、相当強いのはなんとなく理解できた。
「リンディさんも申し訳ない」
「いえ、クロノもこの艦にいる間は、訓練できないと嘆いていたからいい機会でしょう」
艦長席のようなところに座ってなのはちゃんとクロノさんの模擬戦を見ていたリンディさんが微笑みながら言う。
「とりあえず、今日のところはなのはさんを連れて帰ったほうがいいでしょう。また、お話は続きは明日しましょう」
なのはちゃんのことで迷惑をかけてしまった僕たちは、リンディさんの言葉に否ということはできず、はい、と従うしかなかった。
◇ ◇ ◇
すっかり日が落ちてしまい、空には月と星が輝くような時間帯。いつかのように恭也さんがなのはちゃんを背負い、僕たちは道を歩いていた。忍さんとノエルさんは先にタクシーで帰った。乗せてもらえる予定だったが、人数が増え、二台になるのは忍びないと思い、僕たちは歩いて帰ることにした。また、ユーノくんはこの場にはいない。今日はアースラでお世話になるようだった。
僕と恭也さんは無言で道を歩く。だけど、考えていることは大体分かる。なのはちゃんのことだろう。
僕にはどうしてなのはちゃんがクロノさんと模擬戦をしてまでジュエルシードに固執したのか分からない。だけど、僕の中でジュエルシードの件はもはや時空管理局の彼らに任せるべきだという結論が出ている。餅は餅屋であるべきで、彼らがこの場に来た以上、僕たちがこの件に関わるのは終わりで、後は事後処理のときにでも結果を聞かせてもらえれば十分だと思っている。
そう、なのはちゃんの理由がなんであれ、僕は彼らに任せるべきだと思うのだ。だが、そう考える一方で、なのはちゃんのことが気になるのも確かだ。どうして、あれだけジュエルシードに固執するのか。前なら子どもの癇癪のようなものだ、と割り切っていただろう。前世ともいうべき僕が子どもの頃はどうだったかはもうはっきりとは覚えていないが、子どもは間違っていようが、自分の道を主張するものだから。だが、今はそういう風には割り切れない。思い出すのは先生の言葉だ。
―――正論がいつだって正しいとは限らないということだ。
ああ、僕が言うことは間違いなく正論なのだろう。ロストロギアというものは、時空管理局に任せるべきなのだから。だが、その正論はなのはちゃんにとっては、正しいものではなかった。正しいものであれば、クロノさんと模擬戦などしなくてよかったのだから。だから、その疑問を解決するために僕は唯一事情を知っていそうな人に尋ねることにした。
「恭也さん」
「なんだい?」
「どうして、なのはちゃんはあそこまで固執したんだと思いますか?」
恭也
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