無印編
第十九話
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僕と同じぐらいの年齢で発掘の責任者だし、クロノさんはこの船の偉い人らしいし、まだ二十代前半ぐらいにしか見えないリンディさんも相当若いように見受けられる。
そんなことを考えていたからだろうか、僕は不意にリンディさんが口を開くのに気づかなかった。クロノさんが答えた後、何かを考えるように人差し指を顎に当てていたリンディさんは不意に口を開くととんでもないことを提案してきた。
「……そうね、なのはさん。もしも、クロノの強さに疑問や不満があるなら、模擬戦でもやってみる?」
◇ ◇ ◇
目の前のスクリーンの中では桃色の弾幕が三次元の軌道を描きながら恐ろしい勢いで走っている。状況を表すなら桃色の弾幕が三、景観が七ぐらいだろうか。その弾幕を空中でまるで舞うように避ける黒いバリアジャケットに身を包んだクロノさん。その様子は弾幕の中を余裕で避けながらゲームをクリアしていくシューティングゲームのゲーマーのようにも思える。
実際、これまでの戦いの中でクロノさんはなのはちゃんからの攻撃を一度も受けていない。何度か当たったように見えたこともあるが、それもきっちりシールドを張って防御していた。
やがて、なのはちゃんはクロノさんにまったく当たらないのに痺れを切らしたのか、自分自身にいくつもの弾を纏わせてクロノさんに向けて突貫する。一直線かと思われたその軌道はとても歪であり、フェイントのつもりなのだろう。纏ったままの合計八発の弾は発射されることなく、なのはちゃんを守る衛星のようになのはちゃんの傍らに存在する。それが発射されたのは、クロノさんとの距離がかなり縮まってからだった。最初に発射されたのは、四発。やや時間をおいて残り八発。
クロノさんは、それをまるで規定路線のように易々と最初の四発を避けると残りの四発は、鞭のようなもので一閃した。その間になのはちゃんはクロノさんに距離を詰め、レイジングハートを振りかぶったかと思うと直後、彼女はスクリーンの中から一瞬姿を消した。次に現れたのはクロノさんの背後。振りかぶったままのレイジングハートがそのまま振り下ろされ、クロノさんに直撃するかっ!? と思ったが、そうはならなかった。レイジングハートは振り下ろされることはなく、なのはちゃんは、振りかぶったままの体勢で動きを止めてしまった。そのなのはちゃんの両手両足には彼女の動きを拘束するような蒼い光の輪。この模擬戦の中で何度も見たバインドだ。
そして、動けないなのはちゃんの喉元に突きつけられるクロノさんのデバイス―――S2U。
『はい、模擬戦終了。勝者、クロノ・ハラオウン』
僕たちが見ている管制塔のようなところに響くオペレータのエイミィさんの声。この声を聞くのも七回目だった。そう、別室で行われているなのはちゃんとクロ
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