第35話 張り巡らされた罠
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閃光から開放され、視界が元通りになった時、目の前にはまるで異質な空間が其処に広がっていた。まるで中世の時代を思わせる作りの壁や装飾であった。
一瞬タイムスリップしたかの様な錯覚を覚えるがそれも違う。恐らく此処が時の庭園の内部なのだろう。
「どうやら、無事に辿り着けたようだな」
「だが、皆とも逸れちまったなぁ…」
本郷と一文字の二人は今この場に二人しか居ない事に気づく。どうやらあの時一人弾かれたなのはを助けようとして飛び出したが為に今度は自分達も皆と逸れてしまったようだ。
「にしても此処は一体何処なんだぁ?」
「見た所大広間の様だ」
二人の居るのは巨大な螺旋階段のある回廊であった。と言ってもその広さは尋常じゃない。最上階まで登るだけでも気の遠くなる時間が掛かりそうである。そんな場所に二人は来ていたと言うのだ。
「にしても不気味な空間だなぁ。人っ子一人居ないなんてよぉ」
「あぁ、まるで気配が感じられない。どうやら戦力の殆どを外に放り出してしまったようだな」
外では機械獣と傀儡兵、そしてマジンガーZの激闘が続いている。その為この時の庭園には戦力が残っていないのだろう。そのせいかこの時の庭園内は予想以上に不気味さを感じられた。
「早く皆を探そうぜ。このままだと俺は寂しくて死んじまうよ」
「人一倍肝っ玉の太い癖して繊細なんだなお前は」
さり気にボケる一文字を何とかたしなめる本郷。このまま此処に居ても事態は進展しない。何より今は1秒でも時間が惜しい状況だ。急がなければ手遅れになってしまう。
その時、何処からかバイクの走ってくる音がした。それも1台じゃない。恐らく複数。かなり居る。それに、このバイク音は只のバイク音ではなかった。余りにも二人にとって馴染みのある音だったのだ。そう、聞きなれた音だ。
「本郷、このエンジン音…」
「まさか…ありえない! この音は…」
被りを振り事実を否定しようとする本郷。その時、突如上空からその音の正体が現れた。数は6体居る。全てバイクに跨っている。そして、そのマシンは、見間違える筈がなかった。余りにも馴染み過ぎた姿をしていたからだ。
「馬鹿な! サイクロンだと!?」
「しかも6台もかよ…一体どうなってんだ?」
降りてきたのは6台のサイクロン。それは余りにもいきなりであった。形式的には改造前の旧サイクロン号だが、乗り回してきた本郷達にとってそれに対する愛着は並じゃない。だからこそ沸々と怒りがこみ上げてくるのが分かった。
だが、その喉まで出かかった怒りの炎は乗っていた操縦者を見た途端引っ込んでしまった。其処に乗っていた者達もまた御馴染みの存在だったからだ。
「その姿…まさか!」
「おいおい、嘘だろぉ?」
其処に居たのは間違
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