第34話 時の庭園の決戦
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甲児の言う通りだった。既に時の庭園は機械獣達の攻撃を受けてかなりダメージを負っている。このままでは崩壊も時間の問題である。
「すぐに助けに行かなきゃ!」
「って、なのは…あんたそれ本気で言ってるのかぃ?」
アルフに言われ、なのはは黙ってしまった。彼女は一度会っているからだ。フェイトの母、プレシア・テスタロッサに…
その時の記憶が蘇る。痛く、怖く、辛い記憶であった。その場所にまた行こうと言うのだから。
「何か…君達の身にあったのかい?」
「なのは、一体どうしたの?」
「私…前に一度、あそこに行った事があるんです」
震える声で言った。その言葉に皆が驚く。
「行ったって…何時だよ?」
「バードス島から逃げる時…回りを空飛ぶ機械獣に囲まれてどうしようもなかった時にです」
状況が状況だけに仕方ないと言えばそうなる。が、結果としてそのお陰でなのははフェイトの母プレシアと出会ってしまったのだ。
「その様子だと…余程怖い目にあったんだな?」
甲児の問いになのはは黙って頷いた。今でも思い出す。あの狂気に満ちたプレシアの顔、そして鞭で打たれた時の背中の痛み。今でも鮮明に思い出せる。
「なのは…辛いんだったら行く必要はないよ…皆もそうだよ」
「え?」
「おいおい、どう言う意味だよ?」
突然フェイトがそう言いだす。それには皆も疑問に思っていた。いきなり何を言い出すんだ。この状況でフェイト一人で何が出来ると言うのだろうか。
「だって、あそこは私の家みたいな物だもん。只、家に帰るだけだよ…私とアルフだけで良い」
「家に帰ると言ってる人間の割りには、随分暗く沈んだ顔をするんだな。君は」
クロノの言葉にフェイトは俯いた。顔を見られたくないからだ。だが、それでも皆は知っていた。フェイトは恐らく無茶をする気なのだ。それを知ってて黙って見送るような人間は生憎この中には居ない。
「悪いけどなぁ、そう言う事ならお前一人で行かせる訳にゃぁいかねぇな」
「その通りだ。俺達は今まで共に戦ってきた仲間だ。その仲間を見捨てることなどできる筈がない!」
甲児と本郷がそう言う。その言葉に偽りなどはない。その強い瞳がそう告げている。
「俺としても行きたいに一票だなぁ。時の庭園ってのを是非カメラに収めたい」
カメラを片手に一文字が言う。本心はどうかは知らないが付いていきたいと言っているようだ。
「私も行きます! 確かに怖かったけど…でも、あの人はフェイトちゃんのお母さんだもん。絶対に助けないと」
「僕も行く。今まで皆と共に戦えなかった分、戦いたいんだ!」
「当然僕も行くよ。執務官としては君達だけを危険な場所に送り込むなんて事は出来ないんでね」
皆気持ちは同じであっ
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