第80話 文化祭(桐谷)
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「お前らご飯だぞ!!」
文化祭1日目の夜、午後9時。
今晩の夕食がやっと完成した。
「やっとっスか………」
「う、うるさい!文句を言うなら食べなくて良いぞ!!」
「すいませんでした!!」
綺麗なジャンピング土下座だ………
まあウェンディの気持ちも分からんでも無いが、ノーヴェの料理上達の為と思って我慢してくれ。
今日だけでどれだけ玉子使ったかな………
ちなみに今日の夕食はオムライスです。
「そんなの良いから、早く食べよう!!」
待ちきれなかった様でセインが騒ぐ。
まあそう言う俺も実は腹ペコだったり………
「じゃあ食べるか。レミエル、お前もたまには準備を手伝………」
「寝てるわよ、ソファーで」
加奈に言われてソファーの方を見てみると、ぐーぐー寝てるレミエルが………
「ノーヴェ、叩き起こせ」
「分かった」
ノーヴェの拳骨で起きたレミエルに俺は食事をしてから1時間程説教した。
「なあ桐谷?」
「ん?どうした?」
「桐谷はさ、フェリア姉の事どう思ってんだ?」
遅い夕飯を食べ終えた夜、新聞を読みながらノーヴェと共にコーヒーを飲んでいると不意にそんな話をしてきた。
「フェリア?妹思いの良い姉だと思うけど………」
「………本当にそれだけなんだな?」
何でそんなに真剣に聞いてくるんだよ………
確かに最近フェリアは俺と行動することが多いけど、それはお前逹ダメっ子の3人が気になるから俺も連れてるだけだろ?
俺はお前逹の保護者みたいな者だしな。
それにフェリアは俺より零治の方が大事だろ。
アイツがフェリアを家族として迎えてくれたからこそ、今の生活が出来るのだからな。
「他に何かあるのか?」
「………だったらいいんだ」
そう言って、コーヒーに口を付けるノーヴェ。
………何だか最近様子がおかしい気がする。
事の発端は料理を手伝うと言い出した辺りだ。
確か文化祭の準備が始まる前の出来事だっけか?
いつも通り、エタナドと一緒に料理をしてきた時に、ノーヴェがやって来て………
「なあ、私にも料理教えてくれないか?」
と言ってきたのが始まりだった。
暫くしてから理由を聞くと、「文化祭で厨房出来る奴が少なくて、出来るって見栄張っちゃって………」と申し訳なさそうに述べた。
普通に大変そうだから手伝っていたと思っていた俺は少なからず悲しみを覚えはしたが、まあ手伝うって気持ちを持ってくれただけでも良しだと思うことにした。
だが現実はうまくいかず、包丁の使い方が危なかったり、調味料が分からなかったりと基本的な事が全く分かってなく、先ずは教える事から始めた。
そんな俺とエタナドの料理
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