第2章 真の貴族
第15話 ハルケギニアの魔法の意味
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ね。
そこで、その魔法の基本は、地・水・火・風の四大精霊に対応した魔法で、地と風は相反し、水と火も相反すと言う基本はちゃんと押さえてあるみたいです。
但し、矢張り、強化系に分類される魔法はなし。結界系に関しては、それなりに存在はしているけど、物理や相反する属性の攻撃魔法に対しては有効ですけど、精神に属する魔法に対しては、まったく効果を発揮しない、と言うタイプの結界しか存在していないみたいです。
矢張り、この世界の魔法が広がって行った経緯から、こう言う、攻撃力重視の魔法体系が作り上げられたと言う事なのでしょうね。
それで、その魔法体系についてなんですが……。
この魔法は、最初、始祖ブリミルと言われる存在によって伝えられたらしいのですが、俺的には何故に、こんなトコロで北欧神話に登場する原初の巨人の名前が出て来るのかが、不思議なのですが。
それで、当初、この辺りは今の貴族達ではない何者かに治められていたらしいのですが、その圧政者達からこの地の人々を解放したのが、その始祖ブリミルと言う英雄らしいのです。
まぁ、良くある民族的英雄物語ですから、大して珍しくも無いですし、異教徒、異国人、更に同時に異世界人である俺に取っては感動的な物語でもないのですが。
所詮、勝者によって適当にでっち上げられた歴史である可能性が高いですから。
それに、その始祖ブリミルの最後も良く判っていないみたいですしね。
つまり、太古の昔に、ブリミルと言う英雄が聖地とやらに降り立って、圧政に苦しんでいた我々を救ってくれた。
その際に伝えられたのが、我らが使う魔法である。と言う事みたいです。
但し、故に魔法を使う我々貴族は、ブリミル神の系譜を継ぐ高貴なる者だから、この地を支配する権利を有する、みたいな階級意識も同時に発生させているようなので……。
どちらにしてもかなり昔の話です。今……それも、異世界人の俺が真相を調べたとしても、そう簡単に判るとも思えないですから。
それに、どちらかと言うと、その貴族達の特権階級意識の方に問題が有るとは思いますが。
ただ、実際のトコロ、魔法を使える者……つまり、支配する者と、支配される者の身分制度を作る元となった魔法を、圧政に苦しむ民衆の為に伝えたはずのブリミル教の神ではない、人間のブリミルさんは、今のこの世界をどう言う目で見つめているのでしょうかね。
俺が聞いた話に因ると、この世界は、少なくとも西欧の封建主義の時代です。この時代は残念ながら万人に優しい時代では有りませんでした。
しかし、俺が感じたこの世界の魔法は、敷居を低くする事によって、かなり多くの人に魔法の恩恵を得られるようにしている魔法だと思います。これは、多分、そのブリミルさんが科学レベルの発達してい
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