暁 〜小説投稿サイト〜
蒼き夢の果てに
第2章 真の貴族
第15話 ハルケギニアの魔法の意味
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なのでしょうね。
 あの使い魔召喚の儀と言い、先ほどの模擬戦と言い。これは、かなりのスパルタ教育だと思いますよ、この学校の教育方針と言う物は。

 それに、こんなハードな戦闘が行われるのなら、才人に付加された能力は当然です。
 いや、もしかすると、彼に与えられた能力だけでは足りない可能性が有りますか。

 何故ならば、あのレベルの使い手が、この世界の魔法の使い手のレベルで言うと、二レベルに相当する魔法使いと言うのですから、其処から上の敵の攻撃を才人が捌きながら、ルイズが魔法の呪文を唱える時間を稼ぐと言う事。あの肉体強化魔法だけでは、厳しい可能性も有ります。
 これは、俺の方ももっと性根を入れて掛かる必要が有る、と言う事ですか。

 そんなある意味、これから先の使い魔生活に対して、改めて覚悟を完了させた俺だったのですが……。
 しかし……。

「先ほどの戦いは、魔法戦闘の模擬戦では無かった」

 しかし、俺の御主人様の蒼き姫が普段通りの口調でそう言った。
 そして、その台詞に続けるように、

「そうよね。そもそも、さっきの模擬戦闘は、魔法は使用していないものね」

 ……とキュルケも続ける。

 はい? 魔法を使っていない?

「いや、魔法は使っていましたよ、あのジョルジュくんは」

 一応、そうフォローして置く俺。確かに、彼は判り易い魔法は使用してはいませんでしたが、俺の想像が間違っていないと仮定した場合は、魔法と同じような生来の能力は行使していました。これは、もし俺の想定が間違っていた場合は、彼は間違いなく魔法を使用している。……と言う意味の言葉でも有ります。

 そして、当然のように、同じような魔法を、俺もアガレスに行使して貰っています。ただ、対人戦闘を想定していた為に、少々、強化の具合が足りなかったようですが。
 彼、ジョルジュを相手にするには、対貴族戦闘を想定するべきでした。

「彼は魔法を使用してはいない」

 しかし、タバサは更にそう言って、俺の言葉を否定する。

 ……えっと、つまり、これは、

「もしかして、この世界の魔法には、強化系の魔法と言うのは存在していないのか?
 例えば、加速とか、肉体強化に当たる魔法や、魔法威力を強化する魔法なんかが」

 考えられるとすると、この可能性が高いですか。
 しかし、それにしては妙なような気もしますね。何故ならば、才人に施された魔法は、明らかに強化系に分類される魔法だと思うのですが……。

「わたしには、シノブの言っている魔法についての知識はない」

 タバサが一同を代表するかのようにそう答えた。
 そのタバサの言葉を、残ったふたりが首肯く事によって肯定される。

 それに、タバサが俺に虚偽の申告を行う訳がない
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